最強台風 21号

とにかく、もの凄い風だった。まさに、今までにないほどの、最強の台風があっと言う間に通り過ぎていった。

朝起きると、ベランダにある、隣との隔壁がすっかり割れてなくなっていた。こんなことは初めてだ。かみさんがマンションの管理会社に連絡し見に来てもらったが、この台風で多くの被害が出ているらしいので、修理にはかなり時間がかかるそうだ。

なんだか、とても嫌な予感がした。会社は無事だろうか……。

嫌な予感がしたので、いつもより早い時間に家を出た。会社につくと、まずは入口で電気のスイッチをつける。灯りがついた。とりあえず電気系は問題なさそうだ。これがダメだったら最悪だった。

まずは、ゆっくり一階を見回る。自分の仕事場は無事、ドアの向こうの事務スペースは何も問題なさそうだ。すると、あれ? なんか変だな、ちょっと嫌な臭いがする、これはなんだろう? ずっと奥に進むと、なんと、一番奥のエリア一体が水浸しじゃないか。なんってこった! 幸いにも、ここには重要な部材は置いてなく、作業台や床や一部の材料を濡らしただけですんでいた。でも、この上の階がどうなってるか見るのが怖い。。。

恐る恐る、二階への階段を登った。
とりあえず、事務所は無事。奥の倉庫の入口のドアを開けると、いきなり水浸しだった。なんでここが? ただ水の量はそれほどでもなかった。そして周りを見渡しながら、一番奥へ行ってみると、なんと、天上のスレートがポッカリ抜けていた。1m×2mほど、ポッカリ空いた穴の向こうには、皮肉にも青空が見える。なんてこった!

もちろん辺りは一面ビショビショの水浸しだ。幸いここにはいろんな物が置いてあったものの、特に大事なものは置いてなかったので、少しだけホッとした。おそらく豪雨が終わってからの強風時に吹っ飛んだんだろう。まあ、これですんで良かったと思うしかない。

さっそく、いつもお願いしている工務店に電話をすると、この台風で屋根屋が被害が大きかった名古屋方面で手一杯らしい。すると先方の方から、「週末が雨なので、とりあえず、私が明日応急処置だけを行いに伺います」と言ってくれた。なんとありがたいことだろう。きっと滅茶苦茶、忙しい最中だろうに。。。

ぼくの会社は古い倉庫を改装して作ったので、特に屋根の劣化がかなり激しい。実際、スレートは今まで台風で2回飛んでしまった。そのたびに修理をしたが、今回の台風はそれ以上の強風だった。これですんでよかったのかも、そう思うしかない。

正直言うと、会社へ向かう道中、あるお告げの可能性も感じていた。
この強風で、古くて劣化したスレートの、至る所が剥がれてしまって、商品やパーツ、そして、大切な設備やパソコンなどが全滅してしまったという。。。

もし、そんな状態になっていたとしたら、もうこの際、会社を畳んでしまおうと覚悟を決めていたのだ。神様が「もう、そろそろ、やめたほうがいいんじゃないの」と宣告したと受け止めようと。。。

でも、実際はそこまではなってなかった。ということは、つまり「もうちょっとだけ、がんばりさい」ということなんだろう。実は後で聞いたら、兄も同じことを思っていたらしい。思うことは同じだなあ。

よし、これにめげずに、もうちょっとだけ頑張ってみよう。「がんばらないけど どうでしょう?」と言わずに。。。