2週間ほど前のことだけど、まだ買ってから5年ほどしかたっていないリビングのテレビが突然見えなくなった。かと言ってぼくは普段からテレビは殆ど観ないので、ちょっと不便だけど別に困ることはなかった。
普段は朝食時間に観る「こころ旅」と「朝ドラ」。夕食のときに観るローカルニュースや今だと「大相撲」。後は晩酌しながら観る「脳ベルSHOW」くらいだろうか。だからこれらが見えなくても困るということはなかった。むしろ静かでいい。
その代わりに自分の部屋に戻るとYouTubeを観ていた。趣味のアマチュア無線やアクアリウム、そして鉄道模型やギター、ピアノ、カメラ、そしてキャンプなど。自分が調べたいと思ったものはもちろん、ぼくが観たいだろうなというものがどんどん表示されてきてとても役に立つ。
それにテレビの報道番組はまったくあてにならないし、情報もかなり偏りすぎていて、しかも薄っぺらい。ところがYouTubeでは今起こっている事件や世界中の問題もいろんな角度から専門家が最新の情報をとても詳しく教えてくれる。
これらの情報はとてもタメになるし、とても面白い。そしていつしか気がつかないうちにぼくは「YouTube依存症」になっていた。でもそれを自覚したとしても悪いことだとは思っていなかったのだ。たしかに悪いことぢゃない。いろんなことを知ること。そして新しい世界を知ること。人生は一生勉強なのだ。そう思っていた。
ところがある時、気がついた。YouTubeを観る時間は平日なら3時間以上休日なら5時間以上、いやもっと長いはずだ。その時間に他のことできるとしたら、どっちがいいと思うか?と自問自答した。
例えばもっとピアノやギターの練習ができるだろうし、たくさんある読みかけの本が読める。硝子ペンや色エンピツで絵を描くこともできるし、モールスの練習や交信ができる。それにまだ未完成の鉄道模型ジオラマ作りもできるぢゃないか。
繰り返し言うと、YouTubeを観る時間はけっして無駄ではない。とても有意義な時間だ。でもそれよりもっとクリエイティブな時間を過ごすことの方が、どれだけ残された人生にとって大切なことか。そんなこと考えなくてもわかる。そう思ったのだ。
というわけで、1週間ほど前にパソコンのブックマークからYouTube、AbemaTV、Amazon PrimeVideo、Facebookなどを全て消した。意外だった。観なくても気にならないからだ。むしろ気持ちがとても穏やかになった。しずかだ〜。
この空いた時間、最初に何をしようかと思ったらやっぱり読書だった。持っている「読書について」の本を読んでから、Kindleでいくつかの本を探して読み始めた。随分の間、本を読む習慣から離れていたけど、やっぱり本は面白いぢゃないか。
ちなみにぼくは決まったジャンルはない。ベストセラーはあまり読まない。むしろ偶然の出会いを大切にする。例えば「あなたの人生の物語」は上越市にいる古い友達Sちゃんがやってる「なおえつ茶屋」の本棚を誰かが Twitterにのせていたので知った。本というのはそういう偶然の出会いというものがあって面白い。
ところでその彼女は長い間、重度のリウマチで車椅子生活を余儀なくされていたが、数年前に奇跡の回復をみせてアウベルクラフトに一人でやってきてくれた。ところが最近ブログやその他の情報から一切の写真が消えている。謎だ。ただ毎日更新しているブログの文章は紛れもなく彼女のものだと思う。どうか元気でいてくれ。
いまKindle以外に本屋で買ったままの6冊の本がある。これをゆっくり読もう。そしてたくさんとってある楽しいことをこれから順番にやっていこう。
そして今まではピアノの練習は毎日10〜15分程度だったけど、今ではその2倍以上ゆっくり時間をかけて楽しく練習することができるようになった。もう少しで全部マスターできるぞ〜!
YouTubeやテレビから入ってくるインプット情報と読書や自分の体験から得られるインプット情報。比べるまでもなく自分の人生で役にたつのは後者だ。それに気がつけてよかったなって思う。
別に病気になったとかそういうことは全くないけど、最近は残された時間をもっと大切に過ごしたい。そう思うようになった。そういう歳になったんだなあとしみじみ思う。