昨日の委員会で安全保障関連法案が強行採決され、今日の本会議で可決された。
ぼくはブログでは政治や宗教のことは書かないようにしているけど、今回のことで思ったことを少しだけ書きたくなった。
国民の多くが反対をしている。著名な憲法学者がほとんど違憲だと言っている。それでもこの法案が衆議院で、すんなりと通ってしまった。あれ〜、まさか?と本当に不思議に思っているくらいだ。
時の総理大臣が憲法の解釈を、自分なりに「この憲法のここはこういう解釈ができるんだよ。だからその解釈によってこの法案を作ったんだ」と言いました。
確かに、こう解釈した、そう言っているんだよね。解釈って一体なんなのと思った。
そもそも、彼はアメリカに対して誉めてもらいたい、いい子になりたいお坊ちゃまなので、どういうやり方でもいいから、アメリカに「いい子だね、がんばったね」と言ってもらいたい、それだけにしかみえない。
とにかく、自国のことよりもアメリカに対していい子でありたい。いや、むしろ自国のことを思えばこそ、アメリカにいい子でありたい。そういうなんて言ったらいいのかおかしな「洗脳状態」にあると思う。当然、周りにも洗脳者がいっぱいいて支えているのだろうね。
この決議に対してアメリカの反応は「歓迎する」と言っているが、たぶん本心からではないと思う。だってアメリカから提案したことではなくて、勝手に日本の方からアメリカさん、何かがあったら日本は戦争をしてでもアメリカのついていきますよ、と言っている法案だから。
そもそも、集団的自衛権というのは平たく言えば「よその喧嘩を買って出る」超大国の権利だ。そのことをよく勉強すれば、日本は集団的自衛権などありえないことがわかりる。意外にそのことを知らない人が多いので驚いているくらいだ。
そして、日本の国民も今回の強硬採決はおかしいでしょ、とは思っても、なんだか本気になれない冷めた気持ちもある。だって、憲法はそのままで解釈だけその時の総理大臣が決めただけだからね。
ということなら、総理大臣が別の人に代わったら、その人の解釈でいくらでも変えられるってことだよね。今日はその判例を歴史的につくってしまった日なんですから、これからの総理はいくらでもその判例を武器にコロコロ変えていくことだろう。
どうして、これほどまでに急いで採決してしまったのかはちょっと考えればわかる。これ以上先延ばしをすると、どんどん内閣支持率が下がる。そうなるとせっかくの滅多にないチャンスを逃すと思っているからだ。
でもね、それ以上の危機感は何かというと、自民党の支持率というのは中高年で占めている。これからどんどん年寄りがいなくなっていったら、どうなるかもわかっているよね。
小さな期待だが、今回の法案に対して若者達が立ち上がったことだ。今までは当事者でなかったのだけど、今回の問題は自分たちの問題だと真剣に受け止め始めた。彼らこそがこれからの時代を作っていかないといけないのだ。
こういう状態で、この先どうなるかはだいたい予測できると思う。
とりあえず強行採決で内閣支持率が下がるだろう。そしてこれから年寄りがどんどん減って行くと、10年後には、いやもっと早く、自民党の支持率も下がるだろう(ただし、それに代わる党があってのことだが)。
新しい内閣になったら、当然のことだがまた憲法解釈を見直すだろう。過去の判例があるので比較的ハードルは低くなっているよね。
こうして、日本という国はフラフラと、右に左に蛇行し続ける国になってしまうのかもしれない。結局は明治維新の時のような、偉人がいなくなってしまったこの時代。命をかけてこの国を変えるのだという政治家が不在なうちは、このまま我慢するしかないのだろうなと、諦め気分だ。
でも、立ち上がった若者達がこれから本気になって変えようと思い始めていることに、期待しよう。
そして、それまでの間、有事が起こらないことを祈るばかりだ。