ぼくは子どものころから釣りが好きだ
魚を釣るという本来の目的ではなく、釣りをしている時間が好きだ
仕掛けを作ったり、生きているエサを付けたり、どこに投げようか考えたり
じっと竿先を見つめたり、何もかもが好きだ
ぼくがいつも来る場所は自宅から車で40分ほど、西浦の何カ所かの釣り場
最近は殆ど釣れなくなってしまった、それでも疲れたときは呼ばれるようにここにくる
釣り場には必ず何人かのお爺さんがいる、いい人ばかりだ
釣れなくてもじっと楽しそうに釣り竿を振り続けている、いいな、かっこいいな
話しかけるといろんな面白い話をしてくれる
ほんとに、みんないい人だ
釣れなくても海風にあたってるだけで、なんでこんなに気持ちがいいんだろう
そう、ここは静かで、心地よい風が吹いて、心を無にしてくれる場所
海は釣れなくても心地がいいんだよ、偉大なんだよ、だから来てしまうのだよ
今日はけっきょく当たりはなし、釣果もゼロだった
でも、いいんだよ、来てよかったそう思えるんだよ
釣りってやっぱりいいなと思う、素直にありがとうと思ってしまう
できれば、ぼくもそういう拠り所みたいなものをつくりたいなあ
目的もなく、ただここに来たらいいなと思える居心地のよいカフェをつくりたいなと思う