今日は朝から冷たい北風が強く吹いている。こんな日は外に出かけたくないので、家の中でおいしいコーヒーを飲みながら「つつまし酒」を読むことにしよう。
人生は辛い。未来への不安は消えない。世の中って甘くない。
けれども、そんな日々の中にだって「幸せ」は存在する。
いつでもどこでも、美味しいお酒とつまみがあればいい――。
その通りだと思うなあ。毎日どのニュースを見ても暗い話ばかり。それでも自分の気持ちの持ちようで「小さな幸せ」は見つけられるものだと思う。
さて、昨日買ったこの本の帯には「危険な一冊」と書かれている。危険って何だ? これがどうも気になるよねえ。
この本には46の話がある。その最初が「健康診断後のホッピー&カツカレー」で、健康診断のために前日からお酒も食事も控えた状態で、診断後迎える最初のメシの話だ。
ここでホッピーなるものが出てくる。懐かしいねえ。ぼくが東京で下宿生活をしていた学生時代。金はないけど飲み屋で酒は飲みたい。そんなときにはホッピーとかホイスが安くて酔えるので大助かりだった。
ホッピーはビールの代用品、ホイスはウィスキーの代用品だ。焼酎に泡の出るホッピーを入れることで、ビールのような味になる。ホイスも焼酎と割ることで、ウィスキーのような味になる。っていうか、どっちも本物とは違うけど、とにかく味よりは酔えれば良かったのだ。
文中で何度もポッピー、ポッピーという言葉が出てくるうちに、むしょうにホッピーが飲みたくなってきてしまった。寒いので出かけたくはないけど、もういてもたってもいられなくなって、近くの酒屋に買いに出かけた。もちろん使う焼酎はキンミヤ焼酎が定番なのでこれも購入した。これらを冷蔵庫でキンキンに冷やして飲むのだよ。もう夜が待ちきれないりゅうじオジサンであった。笑
そうか「危険」という意味がわかったぞ。
さらに酒屋へ行けば、当然ウィスキーコーナーに立ち寄りたくなる。すると前から気になっていた。「ボウモア」がオリジナル・ハイボールグラス付きで陳列されていた。思わず手に取ってレジへ向かう。やっぱり危険だった。
これでぼくの部屋のウィスキー棚に10本目が加わったぞ。ここにはとりあえず12本置けるように作ってあるので、あと2本。そうだなあ「アードベック」と「ラフロイグ」が有力候補かなあ。
そして次の話は「缶詰で飲む」だ。もうこれはぼくの中でも、かなりおすすめ度が高い飲み方だ。オイルサーディンとか、サバ缶とか、やきとりの缶詰とか、これだけで充分お酒が飲めるよねえ。
そんでもって、この本には「クロスウォーマー」なる調理器具を紹介している。なになに? そんなもん知らんぞ。なんだそれ? さっそく検索してみた。するとこんなのが出てきた。あかん、こりゃあかん。ぜったい欲しくなるヤツだ。
これは「クロスウォーマー」のウェブサイトにある写真で、缶詰をキャンドルで温める道具だ。他にも焼酎や日本酒を温めたりもできるよ。これで2,750円だって、もう時間の問題だな。
そういうことだったのか「危険な一冊」というのは。ホッピーにクロスウォーマー、もうぼくは2つの危険にさらされてしまったのだ。たぶん、これ以外にもこの本は危険がいっぱいありそうだよ、こりゃ恐ろしいなあ。
さて、待ちに待った晩酌の時間だ。ひとり鍋、そしてもちろんホッピーだ。くーーーーーっ、旨い! というか本当に懐かしい味だ。これがホッピーの味だよなあ。値段的に言うと、けっして安くなるわけではない。ビールと変わらないくらいになる。でもこういう文化が残っているって、とてもいいことなんだと思う。
幸せってさ、こんなことなんじゃないだろうか……、って今日はしみじみと思うのだよ。