この写真は去年の12月末頃のもので、4月から始めて9ヶ月ほどたったものだ。一見なにも問題ないように見えるけど、実はコケがいっぱい生えているんだよ。
アクアリウムを始めてから、ずっと悩まされたのが「コケ問題」だった。コケの対策はいろいろあるんだけど、おもに次のようなものがある。
① 底床の掃除と換水、フィルターの清掃
② エサのやりすぎや、液肥での栄養過多を抑える
③ 水槽用ライトの消灯と遮光(コケの成長を止めるため)
④ コケを食べるヤマトヌマエビやオトシンクルスを入れる
⑤ 水草の種類や量を増やす
これらのことはネットで調べれば、教科書的な事柄なのですぐにわかる。だからそれに従ってその都度対策してきた。
ところが去年の11月頃になってこれらの対策で退治できない、やっかいな「黒ひげゴケ」がいっぱい生えてきた。こいつはちょっとやそっとじゃ取ることができないのだ。
しかたがないので、岩や器具についた黒ひげゴケを、その都度熱湯消毒で退治してきた。ようやく退治できたと思ったら次はやっかいな「緑ひげゴケ(アオミドロ?)」が生えだした。
それがこれ。ほっておくとどんどん他の水草についてしまってどうしようもない。当然今までやってきた対策を打つのだが、こいつばかりは何ともならないのだ。ホントにやんなっちゃうよね。
しかたがない、先日ついにコケがついた水草の殆どをカットした。でもこれで終わるということではない。このままではきっとまた同じことを繰り返すだろう。
そこで今までの教科書的な対策ではなく、まったく新しい対策を探すことにしたのだ。つまり国内でのアクアリウム情報では限界があるように思ったからだ。
だから、できるだけ進んでいる海外からの情報を調べ始めることにした。そしてついに見つけたのが次の動画だった。この動画の元になっているのが、
◼️Tom Barr博士のレポート
◼️2HR Wayの発案者 Dennis Wong
のサイトにある日本ではあまり知られてない情報だった。よく見つけてくれたなと思うし、この動画を配信してくれたことに感謝したい。
これを観ると「CO2の添加量が足りていない」のが原因だということだった。これをみる限りぼくの場合は全く足りていない。教科書通り1秒1〜2滴だった。これではぜんぜん足りないのだ。
さらにCO2の量とpHの関係も詳しく解説してくれた。つまり照明が点灯すると水草が光合成を始める。光合成をするとCO2が必要になってだんだん濃度が低下してしまう。
CO2の濃度が減るとpHが上がるので、この値を常にチェックして適正なCO2を添加することが重要だということだ。
この表はpHとkHの値とCO2濃度の関係だ。ぼくの水槽の場合はkHの値が3くらいなので、CO2の値が30ppmを超えるようにするには、pHを6.4以下にしないといけないことがわかる。
ぼくが先程の動画が画期的だと思ったのは、「pHを6.4以下にする」ことはわかるけど「30ppmってどれくらいの量」なのかを目視でわかるように見せてくれたことだ。とにかく驚くほど多かった。
そしてこれは過去のデータなんだけど、pHは6.4〜6.9で一般的には弱酸性のpH6~7.5が適正と言われているので、問題ないなと思っていた。
ところがこれをみると、pHが6.4以下になっているのが非常に少ない。ということはCO2がぜんぜん足りないということだ。今までこんなことは全く知らなかった情報だったし、とても理論的でわかりやすいよね。
最初の頃は毎日pHの確認pH測定器を使って測定していたけど、最近では水換えのときしか使わなかった。それと常時確認できる「ドロップチェッカー」という液色で確認できるという器具を使っていたけどアバウトすぎる。それくらいpHの測定をおろそかにしていたということだね。
そこで常時pHをリアルタイムで計測できる「アクアギーク pHモニター」を購入した。セット内容は電源とセンサー、本体、そして校正液など。
ところが説明書がとてもわかりにくくて、苦労したのはインジケータが赤になっていたことだ。YouTubeでの解説はどれも緑だった。さっそく購入先のショップに問い合わせすると、これは初期不良かもしれないという。
その後、説明書の後のほうをみると、海水の場合と淡水の場合の切り替え設定があって、淡水にすると緑に変わった。これは最初に説明がないとおかしい。
というわけで、セッティングをするとモニター開始。pHは6.3だ。よしこれなら問題なし! この正常な値になっているのは、すでに今までより多くのCO2を入れていたからだ。この指標をみると判断が的確になる。
その後、本体の位置が水槽の上部にあって、見栄えが悪いので左下に移動させた。とにかくこれでリアルタイムにpHが見えるのでとても安心だ。
今後はこのpHとCO2の管理、そして水草の量をもっとたくさんに増やしていって、水槽内のバランスを改善していき、コケで悩むことがない水槽にしていこうと思っている。
というわけでアクアリウムを始めて10ヶ月経過した。これまでの記録をYouTubeにアップしてみたので、ご覧くだされ。
アクアリウムを始めてから、魚が死んでしまったり、水草が枯れてしまったり、コケに悩まされたことが多かった。正直いうと大変なことばかりだった。
でもそれ以上に良かったのは、鮮やかで綺麗な水草の色、そして熱帯魚たちが優雅に泳いでいる姿を観ると、本当に癒やされたことだ。だから大変だったことが救われる。
これからはぼくの理想なアクアリウムを作っていくために、もっともっと勉強して実践していこうと思っている。進歩することは何より楽しいことなのだとあらためて思う。