さあ新しいギターを買おう!
ここは岡崎イオン内にある島村楽器だ。今から10日ほど前にギターを買う目的でやってきた。こんなにたくさんのギターがある中で、買いたいギターはすでに決まっている。それはテイラーだ。しかも型番も312ceと決めている。
お店にはテイラーがたくさん置いてあったが、残念ながらぼくの欲しい「312ce」は置いてなかった。唯一それに近い「314ce」があったので試しに弾かせてもらった。
そうか、テイラーってこんなに弾きやすくていい音なんだと思ったのが第一印象だった。
でもそもそもだけど、ぼくはすでにとてもいい音がするメイトンを持っているのに、なぜテイラーを欲しがっているのかというと、その理由は音色にある。
メイトンは乾いた音がするので、トミー・エマニュエルのような楽曲にはとても適しているし、トミー・エマニュエルに憧れたから同じギターを買ったのだ。
でも今年からは新しいジャンルに挑戦しようと思っていて、そういう曲にはテイラーの音質がいいと思っているのだ。説明するより聴いてもらったほうがわかりやすいので、この動画を観てください。
このDaria Semikinaさんが使っているギターは、テイラーの314ceで先ほどぼくが試奏したギターになる。いい音だよねえ。多少エフェクトをかけているかもしれないけど、こんな音はメイトンでは出せない。
これを聴いたらやっぱりテイラーがいいということがわかるよね。以前「ギター練習の再開!」でギターを再開するきっかけをくれたmi-chanさんもテイラーだったので、ずっとそう思っていた。
312ceにするのか314ceにするのか
ちなみにテイラーは型番を「XXX」と3桁の数字でわけている。そのことは最後のほうにまとめてあるので見て欲しい。
今回比較した「312」と「314」の2本のギターの違いは末尾の2と4の違いで、これはボディシェイプ(形)の違いだ。簡単にいうと312の方は小さなサイズになる。ちなみに314ceは売上の約50%を占めるという一番人気モデルだ。
ぼくが312にこだわっているのは、弾きやすいということもあるけど、それより音色が重要だ。312は小さなサイズなのに、弱い弾き方をしても音が前に響くのだ。
そこでYouTubeで「312」と「314」の音を調べまくった。しかし、多くはピックでジャンジャカ弾いてるのばかりで、参考になるものがなかなか見つからない。
そんな中、唯一「312」の音がとてもわかりやすい動画を見つけた。それがこれ!
これを聴いてぼくは312ceと心の中で決めていたが、最終的に314ceにするか、312ceにするかは現物を比べるしかないと思ったので、取り寄せてもらうことになった。
ちなみに最後の「ce」という記号は、カッタウェイボディ(ボディがえぐれているタイプ)&ピックアップシステム搭載(エレアコだね)という意味だ。
その欲しかった312ceが見つからない
しかしそこからがちょっと大変だった。
この312と314という2つのモデルは、すでにメーカーで生産終了ということで、メーカーから新品を取り寄せることができない型番、つまり廃番だとわかった。そこで島村楽器の他店から仕入れることになった。ちょっと嫌な予感。。。
3日たって「到着しました」という電話があったので店に行くまえに質問した。「これはどこのお店で、値段はいくらで販売されてますか?」と。なぜかというとネットで他店情報を事前に調べていたからだ。
すると、届いたのは長期在庫品でアウトレット品の割引価格で販売しているもので、到着後に開封してわかったらしい。そこでできるだけ状態の良いものを探してもらった。
その条件は2つ。一つはできるだけ新しいものでキズがなく美品であること。そして2つ目は弦高が6弦2.5mm、1弦2.0mmに限りなく近いものだった。
すると、同じような長期在庫品やキズありのものばかりだという。さらに探してもらうと1つだけ美品がみつかったというので、それを送ってもらうことになった。
312ceに決定!
というわけで、312ceが2本と314ceの3本の中から選ぶことになった。312ceは新しいものに、そして314ceとの比較になるが、弾いてみると迷うことなく312ceに決まり!
理由は312ceのほうが小さくて、スケール長も短いこと、さらにネックも細くて弾きやすかった。そして何より音が314ceより「優しい音」がしてとてもいいと思ったからだ。
というわけで、迷うことなく「これにします!」と伝えた。
こうして約10日かかってやっとお気に入りのギターを手に入れた。もちろんネットで外でも手に入るが、やっぱり現物を確認して買うことしか考えていない。
もし下村楽器で手に入らなければ、名古屋の楽器店を探しまくるしかなかったので、正直ホッとしている。良かったね。
ぼくのところに来てくれたテイラー312ceの紹介
まずはヘッドの部分をみて欲しい。偶然なんだけどこういう切り返しのあるヘッドは今までみたことがなくて、これが気に入ったので決めたというぐらいカッコいい。
そしてラベルを見るとアンディー・パワーズのサインがある。これは画期的なV-classというブレージングを考案した彼をたたえて、社長のボブ・テイラーが変えたそうだ。
これはアコギでは常識的だったX-ブレーシング構造と比べて、V型にしたことでボリュームとサステインのコントロールが劇的に改善されたという。
このV-classという画期的なブレージングとともに「ネックの接合の方法」をボルトにしたことも画期的なことで、これらをやっているのがテイラーギターの凄さだ。
シリアルナンバーでわかったこと
さらにシリアルナンバーのことを調べてみた。ラベルに「1103259027」と10桁表示されている。これを意味のある数字に分解すると「1-1-0325-9-027」になる。
最初の数字は製造元を表している。1の場合、アメリカのサンディエゴのエルカホン。ここはテイラー本社のある場所だ。2になるとメキシコだ。
そして2桁目の1と7桁目の9で2019年ということがわかる。次の3桁目から4つの数字0325は月日を表し3月25日となる。そして製造番号が027番ということだ。
つまりアメリカのサンディアゴで、2019年3月25日の27番目の製造ということだね。ってことは5年近く前ということだ。そんなにたってるのかい?
ただしギターは新しければいいというものではないし、5年たってむしろ安定してるのではと思っている。それより状態が良いか悪いかだと思っているが、全く問題ない。
「テイラー312ce」と「メイトンEBG808TE」の比較
自宅に持ち帰ってさっそく記念写真を1枚パチリ!
左が「テイラー312ce」で右が「メイトンEBG808TE」だ。詳しいスペックはメーカーのサイトや数々のサイトで紹介されているので、ここでは省こう。
ただしネックのスケール長と、ボディ上部の大きさの違いが一目瞭然なのがわかる。(ボディの厚さも312ceはかなり薄い)
このギターはいわゆるエレアコで、アンプを通して弾くことができる。コントロールは非常にシンプルで、Volume/Treble/Bassのノブのみがボディサイドについている。
ピックアップはこの位置にあって、生音で弾いた感覚と違和感の少ない、ナチュラルなトーンを再現しているという。
そしてこちらがメイトンのプリアンプ部分。ピックアップと内蔵マイクのそれぞれを個別にコントロールできるようになっている。
ブリッジのここの内部にピックアップが取り付けられている。「DO NOT ADUST」と注意書きがある。
そしてボディ内の生の音をこのマイクで拾っている。 この位置を調節することで好みの音を拾える。こういうシステムは他にはないので画期的で凄い!
312ceのスペック
というわけで、今回購入した312ce V-Classのスペックは以下のようになる。
3:サペリ材特有の明るくクリアで歯切れの良いサウンドが特徴。
1:6弦 トップの材質でソフトウッドのトーンウッド
2:GC(グランド・コンサート)コンパクトなボディ
ce:カッタウェイボディ&ピックアップシステム搭載
V-Classブレーシング:サステインとボリュームを改善
この中で音を決めるのに重要なのは1桁目の「3」の材質で、サペリという材は、高域と低域を下げて中域を持ち上げている。これによってマイルドで温かい音、優しい音、柔らかな音がする。まさにぼくが求めている音がこれだ。
材質によってこんなに変わるんだね。
そして3桁目の「2」はボディシェイプがGC(グランド・コンサート)というコンパクトなボディで、その説明が以下の内容になる。
とてもわかりやすいよね。このようにテイラーギターが、ここまできめ細かく分類して作られているのに驚いた。本当に素晴らしい!さすがNo.1メーカーだなと思う。
これらの説明を聞くと、これからぼくがチャレンジしていこうと思っている曲に、とてもあっているのが納得できると思う。
すでに丸一日このギターを弾いていて、やっぱり本当にいいギターを買えてよかったなと思っている。たぶんこれから弾けば弾くほどそのことを強く感じていくことだろう。
今日はテイラー312ceを購入するまでの経緯などを書いたんだけど、また機会があればこのギターの魅力を伝えられたらいいなと思う。
下村楽器オリジナルチューナー
さてちょっと話は変わるけど、下村楽器で試奏のときに使っていた「LCT-Zというオリジナルチューナー」が気に入ったので購入した。
これはぼくが使っている「ポリフォニック クリップ チューナー」だ。音が高いと赤いバーが右に振れる。
音が一致するとセンターにグリーンで表示される。さらにこのチューナーは6弦同時にチューニングすることもできる。
そしてこちらが「LCT-Zというオリジナルチューナー」で数値の表示でどれくらい離れているかがわかるようになっている。これは17セント高いよと教えてくれる。
そしてピッタリ一致するとグリーンになり00と表示される。これはわかりやすいよね。
テイラーの工場見学
ぼくはこれまでメイトンやマーチンなどの工場見学をYouTubeで観ていて、こういうのが大好きだ。それにこうやって作られているというのがわかると安心できる。
テイラー社の工場内の動画がYouTubeでたくさん見つかるんだけど、こちらは解説なしでざっと観えるので面白い。
というわけで、最後に付録的にテイラーの型番の解説を書いて終わろう。
テイラーギターの分類
テイラーギターはアメリカでトップシェアで全141モデルあり、3桁の数字で分類している。XXXの3桁のそれぞれの桁数で以下のようになっている。
ぼくた選んだ312というのを赤く表示してみる。
1桁目:ボディのサイド&バックの材料
100 レイヤード ウォルナット
200 レイヤード ハワイアンコア
300 サペリ or ブラックウッド
400 オバンコール or インディアンローズウッド
500 マホガニー
600 メイプル
700 インディアンローズウッド
800 インディアンローズウッド
900 インディアンローズウッド
2桁目:2つの意味
1つ目は
1 or 2:6弦
5 or 6:12弦
2つ目はトップの材質
1 or 5:ソフトウッドのトーンウッド
2 or 6:ハードウッド
3桁目:ボディシェイプ
0:DN(ドレッドノート)
2:GC(グランド・コンサート)
4:GA(グランド・オーデトリアム)
6:GS(グランド・シンフォニープ)
8:GO(グランド・オーケストラ)
ということで、今回は新しくテイラーギターを買うために、いろんなことを学んだのでそのことをここに記録した。少しでも役に立てられるなら幸いです。