ちょうど一年前に買ったMaton(メイトン)、とても気に入っていて毎日楽しく弾いている。でも最近になって気になり始めていることがある。それは「弦高」のこと、つまり弦の高さが少し高くはないのか? ということだ。弦高が高いと当然弾きにくくなるので、これはとても重要なことになる。
購入したときに、6弦の12フレットで2.5mm、1弦の12フレットで2mmにしてもらったはずなんだけど、本当にそうなっているんだろうかと思って、測ってみることにした。
すると6弦側で3mm近い高さだった。
1弦側も2.2mmほどの高さになっている。たった0.1mmの違いでも微妙に弾きやすさが変わるけど、それが0.3mmとかの違いになると、かなり変わってくる。ネックが逆反りになってしまうと、こういうことになるけど殆ど反っていないと思うので、プロに調整してもらうことに決めた。
どれくらいで帰ってくるかわからないけど、しばらくかかるかもしれないなあ。しばしの別れになるので、ちょっと寂しい気持ちになる。
購入したのは岡崎イオンの中にある「島村楽器」だ。たくさんのアコースティックギターがずらりと並んでいる。でもここにはメイトンは置かれていない。なぜなんだろうといつも思う。
お店に持ち込んでから実際に現物を見てもらい、状態を確認してもらったが、はやり殆ど反りはなさそうだった。それで名古屋にある島村楽器のリペア部門に送って、弦高を下げてもらうことになった。
ぼくの希望は弦がビビらないという条件で、2.2mm〜2.4mmで限りなく低くしてもらいたいことを伝えた。納期は2〜3週間みて欲しいということなので、これは仕方がない。とにかく、最適な弦高にしてもらえればよい。
せっかくなので、お店のベテラン店員に聞いてみた。
「どうしてメイトンをここに置かないの?」と
すると本当は置きたいのはやまやまなんだけど、生産台数が少なくてそういうわけにはいかないんだという。
もちろん知名度の問題でマーチン、ギブソン、テイラーを購入する人が多いということもあるけど、メイトンは生産台数が少ないということが一番の理由だそうだ。
この担当者も含めたチームが、10年ほど前にアメリカのギターメーカーのイベントに行ったときに、ぜひ販売させて欲しいと交渉をしたそうだ。でも島村楽器程の多店舗(現在169店舗)の会社には販売できないとむしろ断られたそうだ。それほど少量生産にこだわっているのだという。なので、今は日本の輸入代理店を通しての仕入れという形になっている。
このメイトンの工場の動画を観るとそのことがよくわかる。一つひとつの工程を手作りに近い感じで作り出している。興味のある人はダイジェスト版じゃなくて、この下の材料のところから詳しく説明してくれている動画を観ると楽しいよ。
こうやって実際に作っているようすを観ると、それぞれの行程の担当者が、一つひとつ心を込めて作っているんだなあ、ということがよくわかる。なるほど、よくわかった。なんか、いいよね。
その後、ぼくは担当者にこのメイトンの素晴らしさ、音の魅力、弾きやすさなど、いろん熱く語ったのだよ。あれ? これって立場が逆かも? でも、メイトンのユーザーの声を聞くことは少ないからか、とても喜んで聞いてくれた。もっと多くの人がメイトンの魅力を知ってくれて手に入れてくれたらいいなと思う。
しばらくの間、メイトンと会えないのがとても寂しいけど、元気に帰ってきてくれるのを楽しみに待っていよう。それまでサイレントギターで練習だな。