特に趣味の場合、そうなりがちなんだけど、「楽しむ」ということと「旨くなりたい」ということ。その二つのことを同時に無意識のうちに求めることがある。
当然なんだけど「楽しむ」というモノサシと「旨くなりたい」というモノサシは、別のモノサシだから尺度が違うはず。でも何かをしようと思うと、なぜか、その尺度の違うはずのモノサシを同時に使ってしまう。もちろん、気が付かないうちに使ってしまっているんだよ。
例えば。ギターを弾くのは楽しい、でも旨くなりたいな、そう思う。
絵を描くのは楽しい。でももっと旨く描けるようになりたいと思う。
ごく自然のことで誰でもそう思うはずだよ。
でも、この「旨くなりたい」が「楽しむ」ということを邪魔をするときがある。
自分が本来求めているものは「楽しむ」ことのはずなのにね。
例えば今、アマチュア無線のCW(モールス)にいろいろチャレンジしている。実際の交信をワッチしていると、みんなとても早い。かっこいいなあ。あんなふうになりたいなあ。そう思って練習する。
でも現実はというと、なかなか早くならないんだよね。少しでも早くなるためには、ギターといっしょで、練習をしなくては上達しない。上達するには根気がいる。だから、結局楽しくなれない。そういう悪循環がある。
でも、早くなくたって楽しむ気持ちがあれば、人のことなんか気にしなくて、遅いペースで楽しむことができれば、それでいいんじゃないの。そう思えてきた。
例えばこの人のように……。
ものすごく遅いよ。
でも、本当に楽しそうだよね。笑顔がいいよね。
よし。ぼくもそうしよう。