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日記・コラム・つぶやき

「ひねもすのたり日記」を読んだ

木曜日の夜、ぐうぜんにEテレの「漫勉」の放送が3年ぶりに再開されていたのを観た。そこで「ちばてつや」さんが出ていた。ちょうど「ひねもすのたり日記」を描いている場面が放送されていた。

その放送を観ていて、これはすぐにでも読みたいと思ってネットで購入した。

全3巻の物語で「小学館のホームページ」ではこんなことが描かれていた。

〈 書籍の内容 〉
ジョーも松太郎もてつやから。名作の裏に…
いつしか老作家となったマンガ家・
ちばてつやは、様々な社会的
役割を務め多忙だった。だが…
ある日、コミック雑誌から執筆依頼が来た。
最初断ろうと思ったちばだが、その脳裏には
幼い頃の満州の物凄い夕焼け、
人生の節目で出会った素晴らしい人々、
そしてどんなときも不器用に苦しみながら
マンガを描いてきた自分の姿が去来する。
オールカラーショートコミックで描く
半生の記。ちばてつや18年振りの最新作、今ここに結実!

なんと18年ぶりのことらしい。

「ひねもす のたり」というのは古文で「ひねもす」は一日中、「のたり」はのんびり過ごす。という意味なんだって。

この本は歳をとってしまった最近の身近なできごとだったり、自身が子どもの頃の戦争体験などが、各章4ページごとに短編で進んでいく。番組では実際に下絵を描いてから、全ページカラーなので全て色エンピツで丁寧に塗っていた。とにかく全部を自分で描いているらしい。

それに1ページを仕上げるのに、なんと3日もかけているんだって、ってことは単純計算でもこの1冊に丸一年かけていることになる。でもこの本の中でも描かれているけど、丸一日たってもまったく描けないなんてことがあったようだ。漫画を描くって仕事がどれだけ大変なことかと思う。

そして、こんなふうに自分が体験した戦争のできごと。と言っても子どもの頃のことなので、子どもの視線から見る戦争ということなんだけど、その頃のことが実際にぼくがそこにいるかのように鮮明に伝わってきた。

また、中国から日本へ帰ってくるまでに怖いことがいっぱいあって、港まで300Kmの距離を1年もかけて身を隠しながら歩いたそうだ。しかも船に乗ってからも死者がいっぱい出るという壮絶な旅だったらしい。

1巻目を読んで漫画だからこそ、より伝わってくるものが大きかった。こういうことが実際にあったんだよということを、多くの人が読んでみるといいと思う。「ここのサイト」では、ほんの少しだけど試し読みができるよ。

さてと、今日はいろいろやりたいこともあったけど、それはやめて「ひねもすのたり」でいこうと思う。たまにはいいじゃないか。のたりでも……。

 

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