これは10年くらい前にホームベーカリーで焼いたパンの写真だ。それ以来ずっとパンを焼いていない。ホームベーカリーの存在すらも忘れていたくらいだ。
先日かみさんがいつものように、スーパーの中にあるパン屋さんでパンを買ってきた。
「これ、もっちもちでおいしいよ♪」と言うので、食べてみた。確かに!
最近のパンはこんなにもっちりとした食感なんだなあ。ぼくも作ってみたいなあ。そう言えばずっとパンを焼いていないなあ。そう思った瞬間、火がついた。笑
ネットで「もちもち食感 パン 作り方」で検索すると「湯種製法」という作り方があることを知った。これは小麦粉に熱湯を加え、手早く混ぜてデンプン質を糊化させる方法らしい。
よし、これを試してみよう! さっそく「クックパッド」にあるホームベーカリーで作る方法をプリントアウトした。
この方法で小麦粉の量を150gにした場合の分量を計算して作ることにしよう。
今回使うのは石窯パン作りで使い慣れた国産小麦粉「はるゆたか」、そして酵母は初めて使う「とかち野酵母」の組み合わせ。購入したのは「プロフーズ」というお店でいろんな材料を扱っている。
まずは小麦粉全量の40%(60g)を湯種製法で使うのでこれを計ろう。レシピでは塩を使うが、他では入れない方法もあったので、今回はあえて入れないで作ることにした。
これに熱湯48mlを加え、へらを使って一気によく混ぜる。
よく混ざったら、軽くねってひとまとめにしてラップにくるむ。そして粗熱が取れたらタッパーに入れて冷蔵庫で8〜12時間おく。たったのこれだけで終わり。
これを他の材料と合わせて作ることで、もちもち食感の食パンが作れるらしい。
(パナソニックSD-BMS102の説明書より)
さあ、ということで明日はホームベーカリーのこのレシピを使ってハーフ食パンを作ることにしよう。その準備のためにホームベーカリーを探した。ところがどこを探しても見つからないのだ。
おかしなあ。どうやらかみさんによると、使わないし邪魔なので会社に置いておくといって持っていったという。
さて翌日の今日。
早起きして会社へホームベーカリーを取りにいった。ところがどこを探してもないのだ。一体どこにあるのだろうか全く思い出せない。家に帰ってもう一度探したけれどやっぱり見つからない。
困ったな。
しかたがないな。今日はホームベーカリーを諦めてオーブンで作ることにしよう。と言っても我が家のオーブンはパンを焼く専用のものではないので、小さなパンしか作れないね。
それでもせっかくやる気になっているので、説明書をたよりに作ることにしよう。
まずは材料を用意する。
昨日作った湯種生地、はるゆたか(90g)、バター(8g)、砂糖(8.5g)、塩(2.3g 無塩バターがなかったので、その分塩の量を減らした)、ドライイースト・とかち野酵母(2.5g)、牛乳(55ml)。これらをボールに入れてこねていく。
湯種の生地をちぎって入れる。この生地がまるでお餅みたいになってて、ちぎるのに力がいるくらいだ。そうか〜、これがあの食感をうむ秘密なんだな。
こねること約10分。ホームベーカリーがあれば楽なのになあ〜、と思いながらも久しぶりにパン生地をこねる感触を楽しんでみる。ああ、この感触久しぶりだね。
こねた生地を2〜3cmの厚さにしてビニール袋に入れて、オーブンで発酵させる。一次発酵は8~14分と書いてあるが、膨らみが悪く結局20分ほど発酵させた。
一次発酵した生地を切り分けるのは、ちゃんと計量するのが基本。なんだけど今日は手抜きで目分量で8等分に切り分けた。
そして丸く成形したらオーブンシートを敷いてオーブンの皿にのせる。生地に霧吹きをしてからオーブンの中で二次発酵させる。
二次発酵の時間も説明書では8〜12分とあるが、膨らみが悪くて、さらに5分そしてさらに5分、結局二次発酵も20分ほど発酵させた。
次にオーブンの温度を170℃にして、時間を説明書通り28分に設定して焼いた。
焼き上がりの時間になったのに、まだおいしそうな焼き色になっていないので、さらに3分を2回追加し合計34分焼いた。
これ以上時間をかけすぎると水分が飛んでしまいそうなので、これで終わりにしよう。それにしても焼きたての香ばしいパンの香りが食欲をそそる!
さあ、できあがった可愛い8個のパン。見た目はごく普通のどってことないパンだ。はたして味はどうだろうね。
さっそくかみさんを呼んで試食してもらった。「皮が少し固いけど中はもちもちで味もおいしいよ♪」と言ってくれた。そうか、そうか。それなら上等だ。
それではぼくもいただくことにしよう。
う〜ん、香りがはるゆたからしくて、とっても良い香りがする。そして味はとてもおいしいぞ。食感もモチモチでこれはとてもおいしい!
初めてオーブンで焼いたパン。ちょっと手間がかかるし、たったこれだけしか作れないというのが物足りない。それでも手間をかけただけのことはある。
この「湯種製法」というやり方はこれからもぜひやっていきたい。とはいえ、とにかくホームベーカリーのありかを探さなければなるまい。どうしても見つからなかったら新しいのを買うかねえ。しかたがないねえ。
そして、当然ながら今日は「湯種製法」のテストなので、次からはドライフルーツを入れたパンや、ぼくの好きなオレンジピール、そしてクルミとレーズン入りのパンなど、いろんなものを作っていくのだ。
りゅうじオジサンは楽しみでしかたがないのだよ。笑