以前「OYAYUBI COFFEEというお店のこと」で、大阪にある「OYAYUBI COFFEE」という可愛い名前の自家焙煎コーヒーのお店のことを書いたことがある。
そして時々そのコーヒーが飲みたくなることがある。とくに少し肌寒くなってくるこの季節には、その味が恋しくなるんだね。「その味」にね。
コーヒーの味はいろんな要素で変わる
コーヒーというのは、選ぶ豆の品種で味が変わるんだけど、それとは別に焙煎の仕方によって大きく変わるんだね。これはマネしようとしてもなかなかそうはならない。
ちなみにぼくの焙煎経験は30年。このキットを開発したぼくたちが、コーヒー焙煎の楽しさ、難しさ、その旨さなどを経験しているから、そのことを少しだけいえると思っている。
それほど焙煎というのは、火加減や焙煎する時間、煎り止めするタイミングなどによって、大きく変わるものなのだ。だからこそ面白いのがコーヒー焙煎の世界。
それ以外にもコーヒー豆の保存方法、保存期間、ミルで豆を挽くときの細かさ、ドリップの仕方、お湯の温度でも変わる。それくらいいろんな要素が詰まっているんだね。
でもやっぱり一番の違いは豆の種類と焙煎の仕方だと思っている。OYAYUBI COFFEさんのコーヒーは味と香りに「甘さ」と「フルーティ」があって、これが絶妙な加減だ。
ちなみに、OYAYUBI COFFEさんは、ぼくらが開発して販売していた「遠赤コーヒー焙煎キット」を使っている。これで商売をしているってホントに凄いなって思う。
OYAYUBI COFFEEを注文した
OYAYUBI COFFEEさんのコーヒーは「オンラインショップ」から注文できる。季節によって豆の種類を変えているので、そのこともよく考えられているなと思う。
今回注文したのは2種類、それぞれ100gで750円、次のような説明があった。
グァテマラ パストーレス ピーベリー
グァテマラ特有の重ためなコクとスッキリした後味。ほのかな甘さとスムースな口当たりでとても安定しています。その優美な味が人気な豆です!この地域は肥沃な火山性の黒土で一年を通して降雨、日照、日陰のバランスがとても良い恵まれた環境で育っています。
COLOMBIA ナリーニョ・コンサカ
マイルドなバランスの中にも印象的なしっかりとしたコク、林檎を思わせる穏やかな酸味と甘味はブレンドの中心にもなります。苦味はほぼなくコクを感じる程度で、老若男女問わずシンプルに飲みやすいコーヒーです!焙煎はシティローストでお届けします。
さあ、届くのが楽しみだねえ。
豆の入荷待ちがあったらしく、それでも1週間ほどで届いた。いつものように手描きの文字も入れてあって、それが彼女の心遣いなんだろうね。
そして注文した豆に加えて、おまけとして「コロンビア・ピンクブルボン」も同封してくれたと、手描きのメッセージに書かれていた。いいね、こういうの。
本当においしいコーヒーだ
さあそれでは、おまけのピンクブルボンからいただくことにしよう。開封する前にすでに香りが漂っているが、封を開けるとこの香りだけで幸せな気分になる。
ぼくはコーヒーをドリップする時間もとても好きだ。それはこの瞬間でないと感じられない、複雑な香りがするからだ。この段階で甘みを感じるのがすごい。
さあ、いただこう。
お〜〜! これは本当にうまい。メッセージにもあるように、甘さと柑橘系のフルーティさもあって、旨すぎてしみじみ幸せな気分になる。
そうそう、コーヒーの味という要素にもう一つ大事なものがあった。それは「だれが焙煎したのか」だ。
近代化された工場で大量(もちろん不良豆も入るだろう)に機械で焙煎しているコーヒーと、よく知っている人が心を込めて丁寧に焙煎してくれるコーヒー。どっちが旨いか?これは言うまでもないこと。手料理と同じで真心がおいしさに加わるんだね。
みんなそれぞれの世界で頑張っている
今日話をした「OYAYUBI COFFEE」という大阪の三谷さんは、ぼくらが作ったキットがきっかけで、ワークショップなどいろんな活動をされている。
他にも直江津市で「なおえつ茶屋」というカフェを運営している障害を抱える誓子さん。20年前コーヒー焙煎キットでおうちカフェを始めるというので、そのスタートイベントに雪が残る新潟県の牧村まで会いに行った。
そして常滑市で「珈琲工房 しいの木」というお店を開いている水野さん夫婦も、20年前にコーヒー焙煎キットがきっかけで焙煎を始め、その後脱サラしてお店を始めた。
ぼくたちが会社を畳むのを機に、このキットの販売を受け継いでくれた。こんなふうにコーヒー焙煎キットがきっかけで、お店を開いた人達が他にもたくさんいる。
さらにはお店を運営してはいないものの、多くの人達と知り合えて、まるでお友達のようなお付き合いをさせていただいた。
会う約束をしていたのに叶わなかった人達、そしていろいろ支えてくれたことに、お礼をすべきだった人達、ごめんなさい。
出会えた全てのみんなは 一生忘れることのない、ぼくにとって心の宝物なんだね。
ぼくの夢はまだ諦めてはいない
ぼくの夢は小さなカフェを開いて、お客さんに自分で焙煎してもらうことだ。そこは小さなコミュニティ。気楽にお話をしたり一緒に何かを楽しんだりできればいい。
でもなかなか実現できていない。その理由が昨日わかった。少し郊外で、ある程度広い敷地。できれば眺めがよいところ。なんて考えていたらなかなか見つかるわけがない。
昨日たまたま見ていたNHK BSの「トコトコトラム」という番組で、 札幌市電の沿線にまつわるお店や人たちを放送していた。その中に小さな喫茶店があった。
そこは本当に小さなお店でテーブルが3つしかない。そこに来るお客さんみんなが心休まる場所だという。いいなそういうのと思った。駐車場なんていらない。街中でもいい。
そう思えば気楽だなと思ったのだ。でもね。正直いうと定年退職して10ヶ月たって、今の暮らしが居心地良すぎて、またそういう活動できる余力があるかなと思った。
まあ、こういうことは自分がどうこうより、そのきっかけは向こうからやってくるのだ。その大いなる力が働いたらそれに乗ればいい。だから今は動かない。でも諦めない。