今日は特に予定がなかったので、久しぶりにアマチュア無線をゆっくり楽しもう。と思ったんだけど、7M帯のCWのコンディションが悪い。こういう時は14M帯のFT8が唯一のよりどころになる。
最初の写真は、FT8というデジタルモードで交信しているところだ。パソコン画面の左から順に説明すると、まず世界地図が見える。これはぼくのシャックからの電波の送受信状況が、リアルタイムで見えるPSKREPORTERというサイトの画像だ。これを見るとどこからの電波が届いているか、逆にぼくの送信した電波がどこまで飛んでいるかがわかる。つまり、その時の伝搬状況が一目でわかるってことだよね。
そして、真ん中がFT8の送受信をするソフト「WSJT-X」と「JTAlert」という優れもので、殆どワンクリックで自動的にいろんなことをやってくれる。さらに右上はHamLogというログ(交信記録)ソフト、その下がQRZという世界中の無線局の情報を知るためのサイト。これらがお互いに連動して、素晴らしい世界を作ってくれている。
起動後はずっとワッチしていたが、ほとんどが日本の国内からの無線局と韓国、中国、ロシア、アジアの局だった。なので、ぼくがこれらの局をコールするとはない。この間ずっとVN-4002関連の作業をしたり、本(ハーレーじじいの背中)を読んだり、ギターを弾いたりして、の〜んびり過ごす。でも、時々パソコンの画面をチラリと見ながらということは続けていた。まるで釣れない魚釣りをしてるみたいだよね。
そんな中、突然夕方5時過ぎに、EA9ACDという見慣れないコールサインが見えた。珍しいコールサインだなあ。QRZで調べてみると、スペインの南、ジブラルタル海峡を挟んだ、アフリカのモロッコの先にある、セウタというスペインの飛地領だ。そこは人口が8万人程度の小さな地域だった。アンテナはでっかいタワーだね(FB)。
ただし、この地域は「フェンスを越えれば、そこはスペイン アフリカ中から移民が殺到」という難しい問題をかかえているとのこと。そんなことは、今日このセウタのアマチュア無線局と交信しなければ、知ることはなかっただろう。ただ珍しい局と交信できたということだけではない。世界はとても複雑なんだと知る。
ということで、実際のWSJT-Xの画面を見て欲しい。15秒間ごとに受信した内容が瞬時にデコードされ、左の画面に同じ時間帯で受信された情報が、一気に表示される。
右側はコールした特定の周波数だけを表示する。黄色い部分が、ぼくからEA9ACD局をコールしているところ。2回目のコールに対して、オレンジ色になっているのが、EA9ACD局がぼくをコールバックしてくれたという感動の瞬間だ!
1回目はぼくから送った信号を「-13」で受信しましたよというシグナルレポート。2回目の「RRR」はぼくから送ったシグナルレポート「-11」を了解(RRR)しましたというもの。3回目の「73」はさようならのあいさつ。それぞれが15秒だから1回の交信が1分半で終わるというのが、このJT8ならではの短い交信だ。
アマチュア無線はCWやFT8、RTTYなどいろんなモードで交信したり、移動運用を楽しんだり、トランシーバーを製作したり、世界のアマチュア無線局と交信したり、いろんな切り口があって本当に面白いなと思う。
ちなみに、ここにはマイクがない。ぼくはマイクで「しゃべる」という交信はやらない。う〜ん、なんでかというと、言葉に表しにくいけど、ま、そういうのが好きじゃないってことかな……。