FT8のワッチは毎日の日課
このところ、ずっとアマチュア無線の話題を書いていないんだけど、別にお休みしてるわけじゃなく、もちろん毎日ワッチを続けている。残念ながら、ぼくが好きなCWは相変わらずコンディションがよくないので、メインの運用は微弱な電波でも交信可能な14MHz帯のFT8のみとなってしまう。
相変わらず、アジア、特に中国、ロシア、韓国、東南アジアから、15秒に一回、ものすごいたくさんの局が見えてくる。でもぼくはほとんど聞き流していて、こちらからコールすることはまずない。
昨日は珍しく南米エクアドルやメキシコから聞こえてきた。何回もコールし続けたんだけど、まったくコールバックされなかった。残念。
今日も、朝からギターの練習をしながら、14.074MHzをずっとワッチをしていた。FT8のいいところは、他のことをしながらでも、無線機とパソコンがずっとワッチを続けてくれていることだ。状況は時々画面の世界地図を見ていればわかる。
マーシャル諸島からのCQ
いっこうに聞こえてこないときは、魚がいない日と同じ。そうそうに諦めて電源を切ることが多い。その前に、とりあえずCWを一通りチェックして終わりにする。今日も全バンドのCWチェックすると、珍しく10MHzで高速CWが聞こえてきた。コールサインは「V73NS」だ。あれ? 聞いたことがないコールサインだぞ!
QRZ.COMで「V73NS」を調べると、マーシャル諸島からの無線局だった。「CQ V73NS 1UP」とCQを出している、つまり1KHz上から送信して、スプリット運用しろと言っている。
要するに通常は、送信周波数と受信周波数を同じ周波数にして、交互に交信しあうんだけど、多くの無線局がコールすると混乱しちゃうから、送受信の周波数を、それぞれずらして一方通行にするとスムーズになるよね。その指図が「1UP」ということだ。
さっそくスプリット運用に切り替えてコールすると、すぐにコールバックがあった。よ〜し、やった! これはマーシャル諸島との初交信だった。なんだか久しぶりに興奮してしまった。まるで大物を釣った気分だった。
マーシャル諸島のロイ=ナムル島という小さな島。今までまったく知らなかった島の名前が、ぼくの心に刻まれた瞬間だ。ちょっと大げさな話かもしれないけど、それでもやっぱりいいな、アマチュア無線って、CWって……。
FT8とCW その違いって?
アマチュア無線は本当に多くの通信方式がある。マイクで話し合うFM、SSB他、モールス信号のCW、デジタル通信のFT8、RTTY、SSTV他、その中でぼくは主に、FT8とCWを運用している。その違いってなんだろう。もちろん、電波形式、交信方法、ソフトなどは全然違うので、ちょっと違うことを書いてみる。
FT8は無線機とパソコンとソフトがあれば誰でもできる。確かに手軽だし、微弱な電波でも遠くまで飛んでいくのが魅力だ。しかも運用人口が爆発的に多い。まるで渋谷のスクランブル交差点のように、世界中の多くの人がすれ違う場所だ。そこですれ違いざまに、ハイタッチをして一瞬で終わるつながり。
CWは誰でもできるわけではなく、修練をした人しかできない。しかも、やっている人口が圧倒的に少ない。でもこよなくCWの世界を愛している人が、世界中を旅していて、たまたまこの岡崎に来て偶然出会った人に、や〜よく来てくれたね、と笑いながら握手をしあう。短い時間だけど暖かいつながり。
人それぞれなんだろうけど、ぼくにはそんな違いを感じてしまうんだよね。CWには人の体温を感じられるような、不思議な何かがあるんだよ。君もぜひチャレンジしてみないかい?