今日も夕食後にワッチを開始した。相変わらずあんまりコンディションがよいとは言えないなあ。それでも時々北米からも飛んでくるようだぞ。タイミングをあわせてN6HC局をコールすると、すぐにコールバックがあった。カリフォルニア州サンタナのアーノルドさん、ありがとう!
そのまましばらくワッチを続けていると、ぼくはあまりにも突然、予想外のことが起こったので、びっくりしてしまった。おいおい、ちょっと待てよ! よく見ろよ! 「8J1RL」が聞こえてきてるぢゃないかー!
8J1RL、これは「南極昭和基地」にあるアマチュア無線の記念局のコールサインだ。遙か遠く14,000Km離れた南極からの電波が飛んできたのだ。
もちろん迷うことなく、JA2WIGとコールする。当然のことながら、日本のアマチュア局をはじめ、世界中からコールされている。こんなことは滅多にないチャンスなので何度もコールしたけど、やがて電波が飛んでこなくなってしまった。
でも、不思議なんだけど残念という気持ちはなかった。むしろ、南極大陸からの電波が、ここまで飛んできたという感動で、ぼくは嬉しかった。
なぜなら、この昭和基地というのは、日本から見るとアフリカの南に位置する場所にあるので、相当難易度が相当高いエリアになるからだ。しかも距離は14,000Kmもある。だから、ぼくは今回は交信できなかったけど、電波がぼくの所まで届いたということだけで嬉しいのだ。もちろんこんなことは初めてだ。
厳しい環境の中、いろんな任務をこなしながらも、こうやってサービスをしてくれたんだね。ありがと〜〜〜!
P.S.
5月17日、今日買ってきたCQ誌に南極昭和基地の連載を見つけた。
こんな連載があったのは知らなかった。
(前略)
この時期は日の出は午前11時前、日の入りは午後2時、日照時間の減少とともに気温はマイナス20度を下回ることが多くなります。
(中略)
さて、南極はこれからが冬本番。長机を2つ並べただけの8J1RLのシャックがある管理棟1階の食糧乾物倉庫の室温はすでに1桁。ここは屋外とは扉1枚で隔てられただけなので非常に寒く、ベンチャー製のパドルを挟む指は数分でかじかんできます。寒さが和らぐ10月頃までは、防寒服に身を包んだうえで意を決して「よし、行くか!」とシャックに向かわねばなりません。リグの前にじっと座っていると足の指先からジンジンと冷え始め1時間ほどで身体の芯まで冷えてしまいます。
(後略)
その様子が目に浮かんでくるね。嬉しいね!