さあ、ジュピター作りもいよいよ最後の工程、炭水車の動輪部分の組み立てに入った。台車の組立てのために、まず取り付けるベースの組立てと塗装をした。もうすぐ終わると思うと気持ちがはやってしまうのだが、ここは落ち着こう。
そしてここに台車を取り付ける。はまらない。(-_-;)
あ〜、やっぱり最後の最後になっても苦労するな。少しずつ削ってなんとか取り付けできた。
そして動輪の周囲にあるいろいろなパーツ、これらは何の役目だろう? ブレーキ装置なのだろうか、いろいろ調べたけどわからない。そしてこれを本体に組み付けるといよいよ完成だ。
前部と後部を連結させてレールの上に置いてみた。ついに完成したぞ〜!
さあ、いろんな角度から見てみよう。
運転室の中はあまり見えないけど、以前撮った写真を追加しておこう。けっこう忠実に再現されているよね。
というわけで、去年の年末から作り始めて半年近くかかってしまったけど、最後まで諦めずにここまでこれたので、ホッとしている。これで本体そのものは完成なのだが、まだ残りがある。
このジュピターはこの写真のように石炭ではなく薪を使っていたのだ。
このキットではその薪を6mmの丸棒で作るようにと書かれている。そこで、カッターナイフやルーターを使って丸棒の表面をデコボコにしたり、傷を付けたりしてできるだけ工夫してみた。さらには水性絵の具で着色してみると少しはそれらしくなった。
うん、なんとかそれなりになったかな。そして残った作業はレールのバラスト(砂利)を作り、できるだけ本物に近く仕上げることだ。いよいよだね。
もうあと少しで全てが終わる。でも今日は機関車の本体を作り上げたことで、気持ちがとても軽くなった。特にこの1ヶ月ほどは毎日このジュピターの製作のことで頭がいっぱいで、他のことに気持ちが全く向かなかったのだ。
でも今日は背中に背負っていた重い荷物をおろしたような、とても軽い気持ちになっている。そして作業台をきれいに片付け部屋の掃除をした。今このテーブルの上には何もない。これは今のぼくの気持ちそのものだ。
人生には人それぞれにいくつものイベントがある。この半年近く、ぼくは「ジュピターの製作」というイベントと共に過ごしてきた。家に帰るといつも作業台の上には作りかけのジュピターが待っていて、その先の作業をしてくれと語りかけてくる。
気分が乗らなかったり、失敗をどうカバーしようか悩んだり、どういう作り方をしていいのかさっぱり分からなくなったり。いつもこのジュピターと向かい合っていた。
帆船模型作りの時もそうだったけど、最初は楽しいと思えるけど、それを過ぎると楽しいという気持ちより、なんでこんな面倒くさいことをしなくてはいけないんだろうという気持ちになってくる。辞めたいという気持ちや早く終わらせたいという気持ちがどんどん大きくなっていく。
そんな気持ちでいるのに、なぜ続けるのだろうか。誰かのためにするわけでもないし、誰が得するわけでもないのにだ。ただ、言えるのはこのジュピター号も帆船模型サプライ号も、これらを見るたびに「大変だったけど、よく完成させることができたなあ」と少しだけ誇らしくなる。
そんなことを思いながらも、なんとか完成の日を迎えることができた。この日を迎えてみると、そうかこれは「生きる」ということ全てがそうなんだと分かってくる。人生は楽しいこともあるけど、面倒なこと、嫌なことがいっぱいある。
だからと言って辞めるわけにもいかないし、逃げ出すわけにもいかない。それでも節目を迎えると、投げ出さなくて良かったなとか、がんばってよかったなとか、必ずその結果として「喜びや感動や誇らしさ」が返ってくるのだね。
つまり生きることは「何ひとつ無駄なことはない。全てのことが意味のあることなんだ」というところに落ち着くんだね。そのことを今日はあらためて感じたのだ。
さあ、今日は完成を祝って喜びの乾杯をすることにしよう!