3月30日の月曜日、志村けんさんが亡くなったという知らせがあった。そのショックでしばらくは何もやる気になれなかった。身近で好きだった人が亡くなってしまった。しかもこんな簡単に人は死んでしまうものかと……。
自分でもこの気持ちをどうしていいのかわからなかった。
そんなとき、偶然観た映画『ブランカとギター弾き』がぼくを救ってくれた。それからとにかくいろんな映画を観ることにした。
いろんな歌も聴いた。そうすることで少しずつ元気が蘇ってきたような気がする。
そして、かつて大江健三郎さんが言っていた「意思の力による楽観主義」という言葉を思い出した。大変なときは「自分の意思」で楽観的にものごとを考えないといけないということ。
まさに今こそそういう気持ちで毎日を過ごしていこう。そう思い始めてから、蒸気機関車作りを再開させようと思えるようになってきた。
それに、このジュピターを夢中で作っている時間やギターを弾いている時間、アマチュア無線をしている時間は、他のことを気にしないでいられる。その他にも、好きな映画を観たり、好きなアーチストの動画を観たり、そしてこのブログを書いたり。
何となく不安な毎日だけど、ぼくはあえて報道番組は観ないようにしている。そんな時間を過ごすより、自分の楽しみの時間を持つことだ。それも自己防衛の一つなんだと思っている。
ぼくはこのジュピターが力強く走る動画を観ると元気になる。きっとジュピターはそういうパワーを持っているんだろうなあ。さあ、作り始めるぞぉ!
ということで、前回のジュピター作りのブログの続きをダイジェストで書いてみよう。
4/2(木曜日):10日前
これまでのジュピターの製作で運転室の枠組みができあがったので、これから運転室の周りや内部を作っていく。写真を見れば詳しい説明はいらないと思うので、ここからは簡単にいこう。
4/3(金曜日):9日前
まずは屋根の下の軒げたの部分を塗装する。その前に他の部分にマスキングテープをしてから塗装をする。
そして、窓枠やドア枠など金属部分もスプレーで塗装する。
窓は透明アクリルを貼ってから取り付けた。窓と窓枠のサイズが微妙に合わないので、何度も削って何とかおさめた。
その他の金属部分を瞬間接着剤で接着するんだけど、ここでしばし考えることに。というのは、接着剤を付けてから貼り付けるときに、少しでもずれると周りが汚れてしまうからだ。
そこで思いついた。それぞれのパーツを位置決めしてから、メンディングテープを貼り付けて固定しておく。このテープを蝶つがいのようにして折り返し、接着剤をつけてからまたパタンと元に戻すとバッチリ位置があうだろうと思ったのだ。
思った通り旨くいった! こういうときが一番嬉しい。笑
とにかくこの模型作りは簡単な図面しかない。具体的な方法は「自分で考えなさい」ということだ。そこが楽しいというか、やりがいがあるというか、魅力なんだよね。
4/4(土曜日):8日前
今日からは内部を組み立てていく。作業の前にモーニングジャズを聴きながら、おいしいコーヒーを飲むことにしよう。豆はつい最近焙煎したばかりのコスタリカ カンデリージャ。旨いなあ〜。
最初に火室と焚口部分を組み立てよう。この部分だけでも、蒸気機関車のいろんなことを想像してワクワクしてしまう。
4/5(日曜日):7日前
運転室内部のメーター類、レバー、ハンドルなどの塗装をする。塗装は小さなパーツなので全て爪楊枝を筆がわりに使った。
4/7(火曜日):5日前
塗装した小さなパーツを組み付けたあと、運転室内部に納める。たとえ少しでも、できるだけ時間を作ってジュピター作りをすることで、前に進んでいることが実感できる。
4/8(水曜日):4日前
さらに他の部品も接着していく。手が届かないのでピンセットを使って取り付けていく。位置決めが難しかったり、なかなか接着しなかったりで本当に苦労した。この角度から写真撮ってみるとメカニカルでなかなかいい感じだな。
夜はスーパームーンを眺めながらシーバースリーガルを飲んだ。うまい!
4/10(金曜日):2日前
内部の組み付けが終わったので、次は屋根の部分にとりかかる。ここはほとんど見えないところだけど、手抜きはしないで天井の板を張り付ける。
ふと窓の外をみると桜がとても綺麗だ。窓からお花見というのもいいなあ。
4/11(土曜日):1日前
運転室に天井部分を塗装した。塗装をしながら新聞の料理のレシピをつい読んでしまう。笑
次に屋根部分の板を張っていく。簡単な作業でも楽しいぜい!
板を張り終えた。ま、どってことはない。
そしてベランダに出てスプレーで塗装をした。
それぞれは簡単な作業だけど、乾燥させてから次の工程に入るので、時間がかかる。ま、のんびりやっていこう。
塗料が乾いたので、屋根を取り付ける。こんなんでも常に最善の方法を考えているのだよ。
4/12(日曜日):今日
こうしてやっとのことで運転室が完成した! いや〜、苦労したねえ。難関を越えたぞ!
よし、台車の上に乗せてみよう。おお、カッコいい〜〜ぢゃないか!
ジュピターを作り始めたのが去年の12月27日だから、ここまで3ヶ月半ほどかかった。でもまだ半分くらいしか完成していない。あと、1、2ヶ月はかかると思うけど、けっして先を急いではいけないのだ。模型作りはゆっくり一つひとつの工程を楽しみながら作ることで、楽しさが倍増する。
このキットは今日本では1つも売られていないようだ。ぼくのが最後の1個だったとしたらラッキーだのかもしれない。ただし、オークレ社のサイトから直接インターネットで購入することができるようだ。でもこの時期は海外からの輸入はやめといたほうがいいだろうね。
昨日からジュピターを作りながら、ずっと聴いていたのがブルーグラスのインストルメンタルだ。ジャズもいいけど、このサウンドを聴くと、ぼくが学生時代ずっとやっていたブルーグラスの血が騒ぐのだよ。力が出てくるのだよ。やっぱり音楽はいいなあ。