昨日は豊田スタジアムで開かれている「全国大陶器市2023」に行ってきた。このイベントは全国から19の産地の焼き物他が勢揃いする陶器市だ。会場の豊田スタジアムは、今はなき実家の近くにあり、我が家から車で45分くらいのところにある。
この地方の焼物では瀬戸焼が有名なので時々出かけるんだけど、最近ではほとんど気に入ったものを見つけることができない。だから今回はとても楽しみだった。
1月23日(月)はもちろん平日で、開場時間の午前10時頃に到着したのでまだガラガラだろう。……と思いきや駐車場にはすでに多くの車が止まっていた。天気は曇りしかも気温は7℃くらいでとても寒い。しかし会場のテント内はそれほどでもなかった。
まずは右端の通路から順に廻っていくことにしよう。今日の目的はぼくのコーヒーカップと盃、そしてかみさんはお気に入りの食器を見つけることだった。
とりあえず1周目ではすぐに買わずに、お気に入りの候補をチェックして、どれを買うかを見定めてから2周目に買うことにした。
全国各地からの焼き物が揃っているので、さぞかし目移りするかと思っていたが、正直言って見慣れたものが多く、なかなかお気に入りを見つけることができなかった。安くてお得な物や掘り出し物を買うというより、本当に気に入ったものだけを買うつもりできたからだ。
そしてようやく見つけたのがこの「有田焼一峰窯」の売場だった。一目惚れするような可愛らしい器がいっぱいで、思わず気持ちが明るくなってくる。
家に帰ってから調べると「一峰焼のポータルサイト」を見つけた。多くの窯元の中にある「武雄窯元」というところが今回見つけたお店のものだった。
伝統的な絵柄は、そのままだと難しく感じるお客さんもおられるでしょう。一峰窯では、高い技術と品の良さを維持しつつもカジュアルでシンプルな表現をしたいと思っています。
なるほど、いかにも「カジュアルでシンプル」というのがとてもわかりやすく、とても気に入った。
ただし、気になることがある。それはこの売り場にはほとんど値札がついていないからだ。そこで販売しているお店の店主に聞いてみた。すると「値札をつけると高いと言って、みんな素通りしてしまうからつけないんです」という。
そしてスマホを取り出して、ネットを見ながら「例えばこの器は…、この値段で売ってますよね。でもここでは2,400円ですよ」と言って値段の比較をした。その後違和感を感じるやり取りがあったがあえてここに書くのはよそう。
たしかに説明を聞けば納得するかもしれない。でもぼくは思った。ここに来る人はみんなが安売りを目当てに来る人ばかりじゃない。ここにしかない良いものを探している人もいる。だったらわかりやすく値札をつけ、説明書きを置けばいいじゃないかと。
そして「この一峰窯の焼き物は、とても薄くて丈夫で割れにくい」ということをわかりやすく書けばいい。さらには「27才の若い女性が、一つひとつ手描きしている」と、写真を添えて説明すればいい。たったそれだけで伝わるのにと思った。
モノはとてもいいのに、こんな売り方じゃかえって人には伝わらないし売れないよなって思った。ま、それはともかく、かみさんの主婦感覚では高いと感じるようだったので、ぼくは「欲しいと思ったら、値段は気にせずに今買ったほうがいい」といった。
それで迷った末、かみさんはこの中で気に入った器を2個買った。2つで3,600円也、ぼくは決して高くはないと思うし、良いものはのちのち必ず買ってよかったと思うはずなんだね。
というわけで、結局購入したのはこれだけ。一番下のは「笠間焼」のもので、説明では有名な益子焼は、もともとこの茨城県の笠間焼で修行をした人が、後に隣の栃木県の益子町に移って始めたものだという。こちらは2つで1,100円と安い。
そして真ん中の盃は波佐見焼の「一真陶苑」のもので1,100円。波佐見焼というのは長崎県の波佐見町にある。
この「白磁手彫り」は白色の粘土の素地に透明釉薬を掛け、高温の還元炎で焼き上げて作る白い磁器。模様は手彫りで削って作るというもの。
そして一番上が「一峰窯 武雄窯元」の若い女性の作った可愛い器。このくらいの大きさがいろんなものに使えてちょうどいい。
こうしてそれぞれの窯元の歴史や特徴を学ぶと、そのこだわりや想いが伝わってきて愛着が湧いてくるものだ。それはとても大切なことなんだとも思う。
じつは1周目でお気に入りのコーヒーカップを見つけたんだけど、2周目ではそれが売れてしまって見つからない。どこのお店かも覚えていないので、それを調べることさえもできなかった。残念だけど仕方がない。まさにこれが一期一会というものなんだね。
ぼくはこの「一期一会」という言葉をきくと、少し心が痛む、悔いが残る。。。人生は一期一会なんだ、後になって悔いを残してももう遅いのだと思うのだよ。
というわけでさっそく買ってきたものを使ってみた。このフェンダーの箸置きは産地などはないけど、面白かったので衝動買いした580円。いいなこういうの。
そして真っ白な「一真陶苑」の盃で、先日JR岡崎駅の「出会いの岡崎 駅ナカ横丁」で買ったばかりの「天吹(あまぶき)」をいただくことにしよう。この天吹は佐賀県の酒で、華やかな香りがして辛口でスッキリした味だ。うまい!
日本には全国にこうした焼物の産地があり、日本酒の産地があって、それぞれが独自の個性をもって頑張ってくれている。それが同じ日本人としてとても誇らしく思う。
この丸い彫りは手で丁寧に彫って作られている。この盃はライン彫というものらしい。きれいだ。飾りっ気がない真っ白な盃で飲むお酒は、本当に澄んだ味がしておいしく感じる。やっぱりお気に入りの器を持つことはとても大事だよね。
そして裏側を見ると「一真」と記されている。こういうところに窯元の誇りを感じるんだよね。
さて今日のお昼になると、かみさんがあのお気に入りの可愛い器で、おいしそうに雑炊を食べていた。ニコニコしながら「ちょうどいい大きさで使いやすいよ♪」と嬉しそうに話す。ほら、やっぱり買ってよかっただろ〜。笑
ちなみに、詳しくは「ハテ?なる!」で「豊田スタジアムの全国大陶器市2023!駐車場やアクセス、見所は?」で詳細レポートがアップされているので参考にどうぞ。