「Marvel's Funny Company」のバンド活動を始めてから一ヶ月ほどたった。今日はこれまでの紆余曲折を書いてみよう。これから始める人に少しでも役にたてばと思う。
始まりはこの写真のように、小さなレコーディングコーナーを作って、ガレージバンドとオーディオインターフェースと1台のマルチエフェクターの組み合わせからだ。ところが音は悪いしノイズも多いので先が思いやられるスタートだった。
まずは音質向上のためにオーディオインターフェースを変え、エフェクターも3台に揃えてサウンドの質がレベルアップした。そしてノイズ対策をしてようやく環境が整った。
その後はいかにして、自分が理想とするサウンドを作りあげるか、そのために機材の設定をかえたり、情報集めをしてきた。
ところがそんなに甘くはない。ぜんぜん思ったような音作りができないのだ。つまり何にもわかっていないんだろうな。なんでかねえ? どうしたらいいのかねえ?
そんなことで四苦八苦している中、将来的にはバンドの中にピアノやシンセサイザーを加えたいと思っていたので、ガレージバンドからStudio oneというDAWソフトに変えた。
※ DAWは、「Digital Audio Workstation」の略で、 MIDIやオーディオを扱い音楽を制作することの出来るDTM(Desk Top Music)ソフトウェア
このStudio oneはピアノのMIDIデータが使いやすい。ピアノをMIDIのキーボードにして使えば、シンセサイザーやいろんな鍵盤楽器として使えるので面白い。
それにStudio oneを使って気がついたのは、ノイズがガレージバンドより格段に小さくなったことだ。これは思いがけないことで、とても嬉しいことだった。
そしていつかこの曲をマスターしたいと思っているんだけど、TinoさんのサイトにスコアとベースのMIDIデータの購入先のリンクがあるを見つけた。
これを購入してピアノのトラックを消して、ドラムとベースをバッキングにしてぼくがピアノのパートを受け持つ。これで「Marvel's ピアノ・トリオ」ができちゃうのだ。ほんとに面白いよねえ。
というわけで、また部屋のプチリニューアルをすることにした。ピアノを移動し機材を並べる棚を作った。「狭いながらも楽しい我が家~♪ 」とはこの部屋のことだ。この部屋にいると一日中楽しく過ごしていられる。
せっかくなので、ついでにぼくが大好きな高田渡の「私の青空」を聴いてくだされ。
さて、どんなふうにしたのかというと、DCMで25✕90cmのパイン材とL字棚受け金具を買ってきて棚を作った。2ヶ所で固定しただけなんだけど、これで充分な強度がある。
これが出来上がったMIDIピアノとギターのスタジオ。さらにDAWソフトは有料版(13,200円)の「Studio one Artist」に変えた。
その後は音作りに夢中な毎日を送った。それでもどうやっても自分が気に入った音を作れないのだ。そのためにいろいろ調べては試してみることの繰り返し。
朝から一日中そんなことをやっていると、夕方には疲れて寝込みそうなくらいだった。そのくらい熱中してもぼくの目標にたどり着けない。どうして?
ぼくが作りたい音はいわゆる「クリーントーン」といわれる透き通った音だ。これは調べるといろんな人がいろんなことを言っていて、もういろんなことが頭の中でコンガラガッちゃって何がなんだかわからんくなってきた。
ただ、それでもわかったのは、ギターのボリュームを上げすぎていたこと。その他の入力レベル、ゲインもできるだけ下げること。
そしてEQ、Comp、アンプ、エフェクターを使う順序が重要など、これらはここに書ききれないので省略。。。
使えるエフェクターは3台、これに今持っているStudio one Artist(有料版)のエフェクター 32種類が加わる。
当然ながらエフェクターが多くなれば、選択肢が増えるのはいいけど、それだけ複雑になってくる。これはあてのない宝探しの旅をしているようなものだ。
そんな中、偶然「Valhalla Supermassive」という無料のプラグインを見つけた。これはリバーブやエコー、ディレイなど空間系のエフェクターで期待できそうな予感がする。
自分で各ツマミを調整して音作りができるんだけど、あらかじめプリセットが用意されていて、その中から選ぶこともできるのだ。しかも凄いのは、そのプリセットを数えてみたら全部で何と140もあった。これで無料なの?( °Д°)
こんなに驚くほどたくさんあるものの、ぼくが望むクリーントーンで使えるものはせいぜい1割程度しかない。それでもようやくたどり着いた音がある。これは後ほど実際に弾いたものを比較して紹介しよう。
その前に、ぼくが作りたいと思っている音はこのジェフおじさんの音。
そしてもう一つはシャドウズのハンク・マーヴィンの音だ。それぞれ微妙に違うけど、こういう空間系の音作りを目指しているんだね。
というわけで、とりあえずこれまでやってきた音作りの変化を聴いてくだされ。ちなみに機材を色別にしてみるとわかりやすいかもしれない。
■ DAWソフト(パソコンの音楽製作ソフト)
■ オーディオ・インターフェース(音源とパソコンの橋渡しをする機材)
■ エフェクター(ギターの音を変える機材)
■ プラグイン(ギターの音を変えるが、機材ではなくDAW内にあるエフェクター)
これらを組み合わせて音作りをした。
① Garageband + AG06 + MS-70CDR(7月3日)
これはまだ7月始めの頃の、演奏録音を始めた頃の組み合わせだ。音質も悪いしクリーントーンには程遠い。それにノイズもある。
② Studio one + MOTU M2 + dynacomp + MS-70CDR + WALRUS SLO(7月11日)
オーディオインターフェースをMOTU M2に変え、前から持っていた空間系エフェクター「MS-70CDR」にコンプレッサー「MXR M102 DYNA COMP」とリバーブのエフェクター「WALRUS SLO」も追加した。音は良くなったけど、それでも何となくこもったような音でクリーンサウンドにはならない。
③ Studio one Artist + MOTU M2 + Compreesor + Pro EQ + Valhalla Supermassive(7月27日)
そして今回の③になると、②で使っていた3つのエフェクターは使用せずに、すべてMacBook Proの「Studio one Artist」というDAWソフトの中で作っている。
ってことはだよ、エフェクターはいらんってことぢゃんか。あ〜〜〜( ノД`)
というわけで、今現在はこのレベルまでなんとか作れているけど、ぼくの目標の音にたどり着けるまでは、まだまだ試行錯誤が続くと思う。
そしてこの先のことも考えている。
さらにさらに「AmpliTube 5」 というアンプシミュレーターというのがある。このアンプシミュレーターというのは、DAWソフトの中でエフェクター、アンプ、スピーカーやマイクなどを選んでシュミレートできるもの。
つまりはミュージックスタジオを借り切って、そこにある機材で自由に音作りができてしまう、それと同じようなことがパソコンの中できちゃうってことだ。すんごいよねえ。
この動画でアンプシミュレーターがどういうものかが分かってもらえると思う。
この中には無料版でも41種類のストンプ、アンプ、キャビネット、スピーカー、ラック、マイク、ルームが利用可能で、有料版の一番安いグレード€199(3万円ちょっと)ではなんと170種類も使える。あまりにも多すぎて使いこなせるかわからん。
さらに凄いのは、Amplitube 5ではプリセット共有コミュニティがあって、これをダウンロードして使うことができる。この動画はAmplitube 5の共有でどんなことができるかの紹介例だ。
さて決断すべきは、この便利な道具を手に入れるべきかどうかだ。とにかく、いわゆる歪系の音が主流な昨今では、リバーブやエコーを効かせたクリーンな音は数が少ない。どれだけ期待できるかわからない。それとも見つかるかもしれない。
ただし、あらためて冷静に考えると、その前にやることがあると思う。
それは自分が求めている音が「理論的にどういう音」なのかをよく知ることだ。つまりリバーブ、ディレイ、エコーなどがどういう原理で、どういう要素があり、どの変数を変えるとどう変わるのかだ。
その例を次の動画では肝心なポイントから再生できるようにしてある。
これまでのようにただ闇雲にいろんなことをやるより、こういう基本がちゃんとわかっていないと、目指すところにはいけないのではなかろうか。
とにかく、ぼくが飛び込んだこのDAWの世界はあまりにも広大だ。その広大な世界で迷わないように、自分の目指す目的地に向かって旅を楽しんでいこうと思っている。
そしてもっと練習を重ねて、より演奏レベルを上げて、いろんな曲に挑戦していこう! 楽しんでいこう!