だれかに「あなたの趣味は何ですか?」と聞かれたら、間違いなく「アマチュア無線です」と答えるだろう。
小学校5年生頃からこの世界に憧れて、無線工学と法規の勉強を始めた。ところが試験の締め切り日を間違えてチャンスを逃す。そしてブランクがあり高校生3年生でJA2WIGというコールサインを取得した。それ以来、運用方法だったり、設備だったり、自分のスキルだったり、その世界はどんどん変わっていったけど、常にアマチュア無線が生活の中心にあった。
何しろキングオブホビーと言われるくらいで、世界中の人がこの世界に夢中になり、毎日楽しんでいるのだ。でもこの2ヶ月ほど完全に封印している。コンディションが悪いとか、飽きてしまったとか、エンティティが増えなくなってしまったとか、ま、理由はいろいろあるけど「熱く燃えるものがない」、だからともかく封印したかった。
仕事でもなんだかモヤモヤして、商品開発が全くできなくなってしまった時がある。新しい企画をまったく思いつかなくなってしまった時がある。少し昔でいうと「バイオリズム」みたいなものかもしれない。そういうときはあえて、商品開発や企画を考えることを封印した。それも丸々1年とか。というか、そういう気持ちになるまで絶対にやらなかった。サラリーマンならそんなこと許されないけどね。
でも、本当はぼくの中では潜在意識が常に働いていて、彼は常に活動をしている。もちろん自分はそれに気が付いていない。そしてある日突然、まったく思いもよらないような新しい商品や企画が閃いて、みんなをびっくりさせるような展開になっていく。それは仕事じゃなくても、趣味でも人間関係でもいろんなことに当てはまると思っている。
だから今はあえて、アマチュア無線を封印している。自分の中から「こういうことをやりたい!」というものが湧き出てくるのを待っているのだ。趣味なんだからそれでいいんだと思っている。
ただしそれでも週に一度くらいは、アンテナや無線機、その他の機器やソフトの保守のために、全てを動かすことは欠かさない。今日はDXSCAPEのサイトに行って、世界中のDXの様子をチェックしてみた。
7MHzでTI7/G4IRN局がコスタリカから運用していて、ものすごいパイルアップになっている。うわ〜、参戦したいなあ、と思ったがとどまった。「ただいま封印中につき」ということで……。
そのようすをだれかがYouTubeにアップしてくれていた。スプリット運用だから相手局は聞こえない。こういう動画を観ていると、この人はぼくの知らないソフトをいっぱい使ってるなと、少し燃えたりする。笑
そして14MHzに移動してFT8をワッチする。いつもはすでに交信している国や地域はスルーするけど、今日は久しぶりに送信テストも兼ねてコールしてみよう。
ES6DO局はエストニアからだ。さっそくコールするとすぐにコールバックされた。ぼくの電波は遠くエストニアまで飛んでいった。その距離は7,879.7 kmもある。すんごいねえ、電波って!
その後、コンディションが落ちてまったく聞こえなくなってきた。というわけで、僅かな時間だったけど、アマチュア無線というのは、こんなふうに世界的スケールでいろんな体験をすることができる。すごい世界だなあと思う。この写真の左上のログを見ると、前の交信が12月15日だから、もう2ヶ月もたったんだね。でもまだしばらくは封印するのだ。今はその時期ではない。