6月10日、今から2週間ちょっと前に蒸気機関車「ジュピター」の製作を終え、やっとギターの練習ができると新しい弦に交換した。アマチュア無線もやっと再開できると機器の整備を終えた。そしてのんびりコーヒーをのみながら本を読むことができた。
こうして、以前のようにマイペースで好きなことをやれる生活に戻ったことを喜んでいたのだ。
しかし、ところがだ、そうはいかなかった。
なぜだ、どうしたのだ!?
何かというと、まったく何もしたくなくなってしまったのだ。ギターもアマチュア無線も、読書も映画もカメラも、とにかく何もしたくないのだ。会社から帰ってから、することと言えば、ただボーッとしていたり、YouTubeをダラダラ流したり、意味もなくiPadで「四川省」をしたり、横になってゴロゴロしたり……。
何か悩みがあるわけではない。会社の仕事も普通にできるし、日常のやるべきことは何の支障なくこなせている。でもそれ以外はとにかく「何もしたくない」のだ。
これがいわゆる「燃え尽き症候群」という脱力感なのかもしれないが、ま、そんな心の病みたいなことを気にするぼくではないので、とにかく自分の心の思うままに過ごすことにした。
いや、むしろその状況を自分ながらある意味、興味深く観察していた。というのは、こういうことは初めてのことではない。過去に何度も経験している。そういうときはあえて「何もしない」というのが一番いい。とにかく、何もしてはいけないと。自分の心の変化をじっと見つめることが大切なんだと。
そして、この2週間、ほんとにギターも、無線機の電源スイッチも、本にも触れることはなかった。もちろんテレビはほとんど見ない。だからこの2週間の日記は「今日も帰ってからは、何もする気になれず、ボーッとしていた」と書いてあるだけ。空白の2週間だった。
それでもここ数日は日一日と、気持ちが上向きに変化し始めているのを感じていた。そのきっかけが「車を変えよう」と思ったことだ。それもあえてフリード・スパイク(ハイブリッド)から小さなN-BOXに変えようと思ったのだ。
スパイクはとても気に入っている車だが、この後継車種がない。それにN-BOXが好きというわけでもない。でもとにかく小さな車に乗り換えたいと思った。ちょうどぼくがこの小さな趣味部屋が好きで、これにいろいろ手を加えるのが好きなように、小さな車にいろいろ手を加えてみたくなったのだ。外観ではなく車内だ。楽しい空間にしたいと思ったのだ。
そこでディーラーに行ってカタログをもらってきた。そしてどの車種にしようか、どの色にしようか、オプションはどうしようか。さらにはYouTubeでN-BOXの動画を追いかけた。そんなことがとても楽しく思えてくるようになったのだ。
そして気が付いたら、元気になっていた。
今日は久しぶりにギターを弾いたら楽しかった。これはもういいなと思ったので、本当に久しぶりにかみさんと買い物にでかけた。アロハシャツを2枚と可愛い観葉植物を買った。そして本屋で見つけたのが「リロ氏のソロキャンレシピ」という本だった。久しぶりに井上ひさしも読みたくなって「十二人の手紙」も買った。
この「リロ氏のソロキャンレシピ」は「ホットサンドメーカー」を使って、いろんな料理が簡単に作れるという内容だ。これは久しぶりにキャンプを再開しようと思っているぼくの心を揺さぶった。
「ホットサンドメーカー」というのは、文字通りホットサンドを焼くための道具だけど、これを使っていろんな物が焼けるのだ。餃子がおいしそうだなあ。
大好きな「イカゲソ」がめちゃめちゃ旨そうだ。
「魚のカマの照り焼き」たまらん。
「焼きおにぎり」がこんなにうまそだ〜〜。
というわけで、さっそくアマゾンでホットサンドメーカーを物色した。
①上下が分離でき、それぞれをフライパンとして使えるもの。②内側がフラットで焼き目がつかないもの。③パンのフチを圧着するような余分な突起が出ていないもの。④内部が分割されてないもの。
というわけで選んだのが、このi-WANOという会社のHASAMOCCAだ。もちろん家でも使うつもりだ。
著者リロ氏のYouTubeチャンネル「 ハイキングハンティング.mоv」にもいろんな動画が紹介されている。このピザも旨そう〜〜。
というわけでどうやらようやくブログを書く余裕も出てきたらしいので書いてみた。
思い返すとジュピターの製作には相当な神経を使ったし、毎日毎日ほぼ6ヶ月の間、ただの模型作りという趣味なのに「身体を縛られた」ような毎日だった。それだけ大きな重圧のようなものから解放されて、腑抜けになってしまったのだろう。
でも、そんなことを言うと、これまでのことが悪いことに見えてしまう。けっしてそんなことはなく、たくさんの楽しい想いや感動、そしていろんなことを学べたことに感謝せねばと思う。人生で無駄なことは一つもないのだ。
ま、考えてみれば人生とは今回のようなことの繰り返しなんだと思う。その都度乗り越えて生きなければならないのだなあ。生きていくのは本当に大変だなあと思う。でも逆にそういうことがあるから人生は面白いんだよね。この66才のジジイになってそのことをあらためて深く思うのだよ。