この写真は移動運用に使っているIC-705、そして50Wに出力を上げるリニアアンプのHARDROCK-50、その他一式の機材だ。これらはいつも車の中に置いて(眠って)いる。いちいち使うときだけ部屋から運び出すのはとても面倒だからだ。
ところが実際は移動運用の頻度はとても少ない。いずれはもっとアクティブに運用しようとは思うけど、なんだかこれではもったいないなと思い始めた。そこで、部屋に移動させて固定でも使い始めることにした。
今考えているのは、IC-705はオールバンド機だけど、自宅では7MHzのCW専用で運用しよう思っている。今日はそのセットアップとアンテナのセッティングだ。
そこで今までリトルターヒルと一緒につけていた、144/430MHz用のモービルホイップを、7MHzのモービルホイップに変えてみた。でもどうやってもSWRが下がらない。
たぶんこれはリトルターヒルと近いから、お互いが干渉しあうからだろう。そこで別の場所に新たに設置することを考えてみた。そのためにはベランダ用の取り付け金具が必要になる。それならもう少し思考を広げて考えてみよう。
例えばこの「スーパーアンテナ MP1」を使うという手はどうだろう。これを使えば7~28MHzまで運用できる。別の場所に設置するなら7MHzだけというのはもったいない。
試しにMP1を三脚にのせてワッチしてみた。でもSWRの調整をちゃんとやらないと使えないなあ。それにこのMP1は周波数を変えるのがちょっと面倒だぞ。
ちょっと待て、それなら予備のリトルターヒルを使えばオールバンドで50W運用できるではないか。手動で回転させるってことでいいのでは? ここはもうちょっとじっくり考えることにしよう。考えることは楽しいことだ。
というわけで、とりあえずアンテナは今使っているリトルターヒルをアンテナ切替器でFTDX10とIC-705を使い分けることにした。
しかし疑問だ。FTDX10でオールバンドの100W運用ができてるのに、なんでわざわざIC-705を使って、出力を50Wに落としてまで運用する意味があるのだろうか?
そんな疑問を持ちながら今日は一日両方を使い分けてみた。するとそうか、こういうことなのかということがだんだんわかってきたのだ。
つまりそれぞれの無線機やアンテナやパドルには、人と同じで性格や個性のようなものが存在するということだ。例えば無線機のつまみの配置とか、操作の仕方などはヤエスとアイコムでは全くコンセプトが異なる。
ヤエスは操作パネルがまるでコックピットのように配置されて、男心をくすぐるデザインで好きだ。操作はタッチパネルよりもツマミを多様している。
一方アイコムはタッチパネルを重視して、シンプルなデザインで操作性が良いとされている。でもぼくにはこのボテッとしたデザインが、どうしても好きになれない。ぼくがヤエスとアイコムどちらを選ぶかとしたら即座にヤエスと答える。機能美が秀逸だと思う。
それでもIC-705を購入したのは、KX2のSDR化に挑戦したんだけど、うまくいかず諦めたからだ。→「KX2 + MFJ-1708B SDR + SDRPlay + Win4K3」
そしてKX2はこんなにコンパクトなのに、性能はすごい。そしてこの個性的なデザイン。とにかくぼくはこのKX2が一番好きなんだね。特別な愛着を感じるのだよ。
ぼくは5台の無線機を持っているけど、それぞれこんなふうに使い分けている。
固定局(100W運用):FTDX10 + リトルターヒルHP
移動局(10〜50W運用):KX2、IC-705 + HARDROCK50リニアアンプ
移動局(2〜5W運用):FT817、自作のQRP CWトランシーバ VN-4002
これで運用の幅が随分広がって楽しくなった。
でも、今回のように集合させることにどんな意味(利点)があるんだろう?と思った。その答えが先程書いた「人と同じで性格や個性のようなもの」を感じるからなんだろうね。
こうしていろんな無線機やアンテナやパドルを使いわけながら運用するということは、一つの機器をずっと使うより、機器を変えることでそれぞれの持つ個性によって楽しさが多様化する。楽しさが増す。
それに、あらためてこうやってぼくが持っている無線機を揃えて設置しておくのは、やっぱりカッコいいではないかと思った。
まあ、男というのはそういう自己満足を満たす世界があるのは間違いない。こんなにたくさんいらないのに、どんどんパドルの数が増えるのもそういうことなんだよね。
よく古い無線機から最新のものまで、使っているのかわからないけどズラッと並べているOMの写真を見る。それは自分の宝物を眺めて喜んでいる年とった子どもなのだね。
さあ、固定用に新しく設置するアンテナはどうしようかねえ。楽しみだねえ。