七合目までたどり着いた
昨年末に「ギター練習の再開」をしてからほぼ1ヶ月がたった。最初は新しいジャンルということもあって、さっぱり弾けず途方に暮れた。それくらい難しく感じたのだ。
その後、毎日練習を続けて、今は登山でいうと7合目くらいだろうか、まだ先は長いけど続けていけば、何とか登頂できそうという希望は見えてきた。
そして今は3周目に入って、楽譜に繰り返し練習する部分に印を付けて。その部分を集中して練習している。
人はいくつになろうが自分が「成長」していくことに喜びを感じるものだ。一ヶ月前に全く弾けなかった曲が、ここまでできるようになったことは本当に嬉しいことだ。
(注)7合目というのは弾き方を覚えるというところまでの話です。その先の仕上げというのが実はとても難しいんです。いかにキレイで美しい音を出すか、この曲をより豊かに表現するか、それがこの曲の難しいところなんですね。がんばらないで、がんばります!
ぼくが求めている音に辿り着けないモヤモヤ
さて、新曲のマスターのこととは別に、この所ずっと考えていてモヤモヤしていることがある。それはギターの音色のことだ。
それに関連しては以前「ギターを弾くのに爪はいるの?」で爪を切って指の腹の部分で弾いたら、とても柔らかい音になって解決したと思っていた。
ところが、その後練習をしながら、どうもやっぱりまだ違うなと思うようになったのだ。ぼくが求めている音は「マイルドで温かい音、優しい音、柔らかな音」だ。
それを具体的に「この音です」と示すことはできないけど、ぼくの頭の中にはある。きっとどこかで聴いた経験があって、それが心に残っているんだと思う。
その音を再現するためにテイラーを買った。そして爪を切って指の腹で弾くようになったのに、今出せている音は求めている音にはなっていない。
なぜなんだろう。ずっとそのことをテイラーを弾きながら考えてみた。右手の使い方なのか、弾く位置なのか、それとも別の要素があるんだろうか?
右手の角度?
そこでいろいろ調べてみることにした。どんなこともまず「なぜなのか」を知りたいんだよね。そこで調べてみると当然なんだけど、右手の使い方のことが出てくる。
右手の使い方でいえば、ぼくの弾き方はこんな感じになっている。これは人ぞれぞれ違いがあって、弾きやすさとか選曲によって変わると思っている。
ただし、この曲は巻き線の5弦も人差し指で弾く部分があるので、この角度で弾くと指の爪が斜めになり弦をこすって濁った音になっていた。それで爪を切ったのだ。
「この曲」で岸部眞明さんはこの角度で弾いている。あきらかにぼくとは角度が違う。ただし岸部さんは爪で弾いているので音が硬い。
ちなみに、右手の使い方ということでは、YouTubeでと検索するとたくさんの動画が見つかるので情報はたくさん得られる。
例えばフィンガースタイルのギタリストの下山亮平さんの「右手のピッキングを徹底解説」では詳しく理論的に解説してくれている。(ちなみに下山さんは岸部眞明さんと「Rainbow」をコンサートで共演している)
この写真のように角度によって音がどう変わるかということで、それぞれにメリットデメリットや音の違いがあるという。
直角に弾くとはっきりとした角がたった音になる。片や角度をつけると弾きやすいが、摩擦音つまりノイズが出やすいというデメリットがある。その一方で角がとれた丸い音になるということだ。
弾く角度はそれによって音色が変わる、ということはわかるんだけど、ぼくの望む核心の部分とちょっと違うような気がする。
このギター初心者講座の動画ではこんなふうに、親指の第一関節より中に人差し指を置くというのが基本だという。
とはいえ、ぼくはというと、この数年はトミー・エマニュエルの曲ばかりを弾いていて、これを観るとこれまでの解説の弾き方と全く違うのだ。曲のスタイルや奏法によって、弾き方は変わるってことなんだろう。
それにトミーは爪ではなく指の腹の部分で弾いているので、たしかにその部分は硬くなっているものの、音の柔らかさを感じる。やはりそこがポイントなんだろう。
最後は自分で考えて答えを出そう!
それにしても、いろんな情報があまりにも多すぎて、調べれば調べるほど、いったい何をどうしたらいいのか、ますますわからなくなってきた。まるで沼だ。
そこで冷静になってテイラーギターを弾きながら、自分自身に問いかけてみた。そして「雨降る窓辺で」をゆっくり確かめるように弾きながら「どの音が好き?」 「どの音が嫌い?」と自分の指で弾きながら、何度も確認してみた。
すると、何度か同じフレーズを弾き方を少しずつ変えながら弾いていると、微妙にいい音と悪い音があった。ひょっとしてこれが原因なのか!?
これが答えかも!?
その違いは何かというと、右手の角度とかぢゃなくて、爪の長さだった。確かにぼくは先日爪を短くして指の腹(肉)の部分で弾けるようにしたハズだ。
でもよくよく弾きながら観察すると、まだほんのごくわずかに引っかかっている部分があった。それが弾き方によって濁った音になっていたのだ。
そこでもっと短くというか、これ以上短くできない長さにして、さらに爪の先端を斜めに磨いてこれ以上は削れないというくらい磨いた。これが今のぼくの人差し指の写真だ。
ここまで削るとほぼ爪がないくらいだ。ぼくの爪は分厚いので、ここまでしないと弾き方で弦に爪がほんのごくわずかだけ引っかかって、小さな濁り音となっていた。
さっそくこれで弾いてみると、爪の引っかかりがなくて、指だけで弾いた音になった。当然ながら優しい柔らかな音になったのだ。ようやくぼくの望む音作りができた。
大切なヒントがこれだ
そんな中、さらにタイミングよくこの動画を発見してぼくの心に刺さった。
この動画はぼくがかつてYouTubeで有料のレッスンを受けていた大森さんのもので、やっぱりぼくと同じような右手の向きになっている。
そして右手の指のハジキ方をこんなふうにすると「弱い力でデカイ音を出せる」ことを解説してくれている。さらに将来的には爪なしにしているかもと言っている。
指を曲げたまま弾く。この弾き方はぼくの今後の大きなヒントになったので、話の中に出てくるジョー・ロビンソンのことを調べてみた。
これがぼくの求めている音
この動画はジョー・ロビンソンの演奏だ。指弾きでとても優しいサウンドを奏でている。あ〜そうか〜、指弾きでこんな音が出せるんだなあ。
そしてこの動画はアデルのEasy On Meという曲だ。こちらはサムピックを使っていない、全て指弾きでの優しいサウンドだ。
ぼくと同じメイトンギターで弾いているけど、指弾きだとこういう音が出るというお手本だ。「ほら、こんな音が出せるんだよ」って教えてくれている。まさにぼくが求めていた「マイルドで温かい音、優しい音、柔らかな音」がこれなのだ!
さらに弾き方でいうと、大森さんが言っていたように、指を曲げたまま弾いている。この奏法でより音が大きくなって、もっと良い音で演奏できるようになるはずだ。
これでようやくずっと頭の中でモヤモヤしていたことが一気に晴れた。なんとも言えない気持ちだ。
あらためて岸部眞明さんの動画を観なおして、指の使い方を確認してみると、同じように指を伸ばさないで弾いていた。そうかこの奏法でいいんだね。
そうそう、実は今まで爪を伸ばしていたので、ピアノを弾くときにどうしても爪が当たっていた。それがなくなってとても弾きやすくなったのだ。よかったね!
(正直な感想)
これまでとても長くて理屈っぽい文章になってしまいました。実はこれを書き始めて今日で4日目ですが、まったくまとまならい文章になって、これじゃ伝わらないなと思いながら書いていました。
それはぼくの中で答えが何なのか、まったく見えないし、これかなと思ったらやっぱり違っていたり、他にもここに書いてないことがいっぱいありました。そして今日は自分の中に答えを見つけるしかないなと開き直りました。
それでもきっと答えは見つかるはずだと思っていました。最後は正直言って「こんなことだったなのか?」みたいなことでしたが、それでも問題解決です!良かったです。
(最後にひとこと)
今回の内容はぼくが望む音をどうするかについて書きました。あくまでもぼくのスキルや好みでの考察や答えです。
これを読んでいるみなさんには、それぞれの好みの音があって、好きな弾き方があるはずです。ですから、みなさんにこの方法を勧めるということではありません。その点はどうぞご理解ください。