小型アンテナAX1用の共振周波数を下げるために「AX1用のキャパシティキャップを作ってみた」で作ったキャパシティハット。結果的にこれがとても効果的で、今はこれなしでは移動運用は難しいくらいだ。
ただし、一つだけ問題がある。それは材料のスチール線がとても硬くて柔軟性がないことだ。そのためこの前の移動運用ではバッグに入れて持ち運んだときに、ハンダ付けの部分がはがれてバラバラになってしまった。つまり持ち運びに不便なのだ。
そこで改良型 V1.0(かっこつけてみた)をつくることにした。簡単にいうというと柔軟性にある素材に変えたのだ。使ったのはインターホンなどの配線に使うベル線。長さを24cmにして中心部分1.5cmの被覆を剥がしてこの部分に予備ハンダをしておく。
そしてワニ口クリップにハンダ付けする。次にクリップをカシメた後に樹脂でくっ付いている2線を開き左右で4本にわける。たったこれだけで完成!
右が従来型のキャパシティハットで左が改良型になる。こちらは線が柔らかいので自由に形を変えることができる。
もちろん、こんなふうに小さく畳むこともできるのだ。
そしてAX1といっしょにケースにおさめることができるのだ。エッヘン!
……と偉そうなことを言っているけど、これがちゃんと使えるかどうかはまだわからん。よし、明日は実際に電波を出して交信テストをしてみることにしよう。
さあ今日はいい天気になったねえ。ほんとに気持ちがいいな。だから本当は外にでかけてテストをしたいところだけど、今日は時間の関係でベランダでテストをすることにした。まずはキャパシティハットなしの状態でSWRを計測してみよう。
いつも使う7.008MHzあたりでSWRは12.55。やっぱりこれでは使えない。
次に改良型のキャパシティハットをつけて計測してみる。
7.008MHzでSWRは2.67になっている。まだちょっと高いなあ。というよりは共振点がむしろ下がりすぎているのがわかる。
それならとキャパシティハットの位置を下の方にずらしてみるとどうなるかだ。
お〜、1.32まで落ちた。いいねえ。つまりキャパシティハットの位置で共振周波数を変化させることができるのだ。
運用するロケーションによって、アンテナの高さやグランドの状態、そしてカウンターポイズの張り方などで、共振周波数は変化するので、キャパシティハットの位置を変えることで、これらに対応できることがわかった。
キャパシティハットは日本語でいうと「容量冠」つまり容量、キャパシタンス(C)の値を増やす働きをするわけだ。アマチュア無線の無線工学で習ったあの共振周波数の数式がなつかしいよね。
f0 = \(\large{\frac{1}{2π\sqrt{LC}}}\)
この数式のCを増やすことで共振周波数が下がるということになるわけだ。(↑ なんとかこの数式をwordpressで表記できないかなと思ったがやっとできた)
とにかくこのAX1というアンテナはとても優秀なんだけど、その性能をいかに100%に近づけられるのかがポイントで、これもノウハウになっていくので面白い。
さあ、実際にテストをしてみよう。今日はあまり時間がないので、1局だけCQを出している局をコールして交信を試みることにした。
さっそく聞こえてきたのがJS1DEH局(栃木県鹿沼市)だ。あまり強くはないけどコールするとすぐにコールバックしてくれた。レポートはHis:559 My:539だった。CWは信号が弱くてもはっきりと判読できるのがよいところだ。
よしこれで無事テストが終わった。どうだ、エッヘン! とそっくりかえる。笑
というより、改良型のキャパシティハットが充分使えるということがわかって、ホッとしているというのが正直な気持ちだ。
ちなみに7MHz用のモービルホイップHF40FXWに替えて受信してみたが、やっぱりAX1のほうが断然受信感度がいい。
ちなみに以前3つのアンテナの比較した時に動画を撮ってみたのがある。これをみるとAX1の受信感度はやっぱりいいよね。HF40FXWとの比較は電波が弱いのでわかりにくいけど、今日の比較ではもっと違っていた。
この実験は会社の駐車場でやってたんだけど、この時にグーグルカーが通ったらしく、会社の前のストリートビューにはこの画像が残されていて驚いた。この時ぼくはどこにいたのだろうか? グーグルカーみたかったなあ。
話を戻そう。
多バンドでコンパクトに収納できるアンテナは日本でもダイヤモンドやコメット等がある。試してみたいような気もするけど、デザインや使いやすさ、そして受信感度のことを考えると、やっぱりぼくはAX1以外の選択肢はない。
ELECRAFT社のAX1のサイトの最新情報ではぼくが購入した2年前よりインフレで商品価格や運賃が値上がりしている、しかも 104円/$ → 144円/$ という円安だ。
ちなみに最低限必要なものだけ揃えても$271.38、今のレートで合計39,000円程になってしまう。ぼくが購入したときだと22,700円程で1.7倍になっている。
これじゃ高すぎるぞ。円安なんとかならんのか、ふんとにー 😤
さて、これは最近覚えたカウンターポイズの収納方法。8の字に巻くことで、ほどきやすくてからまないのでお気に入りだ。(知ってる人は常識だよね)
これを教えてくれたのがK4SWLトーマスさんだ。トーマスさんはいろんな場所へ移動運用して動画を配信し続けている。いつもとても参考になるのでありがたい。
さあ、これでKX2 + AX1のセットで徒歩での移動運用の準備ができた。この秋はいろんなところへでかけようと思う! 楽しみでござる。