ぼくの持っている無線機は5台あって、用途と楽しみ方も5通りある。
① 【自宅での固定運用】FTDX10(100W), アンテナ Little Tarheel HP
② 【車での移動運用】IC-705+HARDROCK-50(50W), アンテナ HF40CL
③ 【徒歩での移動運用】KX2(10W), アンテナ AX1
④ 【QRPで移動運用】VN-4002(2W)
⑤ 【固定で430MHz ワッチ専用&非常通信用】FT-817(5W), アンテナ OHM-6800
①〜③はこれまでもブログに書いてきたけど、④の「QRP移動運用」というのは他のものとは全く異なる挑戦だと思う。(QRPとは5W以下の出力のこと)
先日の「IC-705をフリード+の車内に常設化してみた」のように、移動運用の上限である50W出力だと会社の駐車場でも交信できてしまう。それに対してたったの2Wでの交信となると、ロケーションの良い場所を探したり、アンテナの工夫をして交信に臨むわけで、それはとても面白い挑戦でもあると思う。
ちなみに④の「固定で430MHz ワッチ専用」はローカル同士の話は意外な面白さがあるし、ためになることがある。そしていざという時のための非常通信として使用する。
昨日は会社の近くの乙川沿いの堤防に移動して、VN-4002を使ってのQRP移動運用を楽しんできた。移動と言っても会社からわずか300m程の距離だ。
この周りは住宅地だし、それほど開けているわけではない、それにたった2Wの出力だから期待しないで30分程度で終わるつもりででかけた。
川沿いの堤防にはちょっとした駐車スペースがありここで運用開始。アンテナはセンターローディングアンテナ「HF40CL」を使用する。外からだと中はみえないよね。
ここから橋の向こうの堤防沿いは3月になると
こんなふうに河津桜が満開になる。ここからは散歩コースで、歩いていくと下流に岡崎城のある岡崎公園にまで行ける。この川は市の中心を流れ、とても美しく市民にとって愛すべき憩いの川なんだね。
逆に上流に行くと堰があって、そこから先はずっと自然の楽園が広がり、仲間といっしょにカヤックを楽しめる。そんな素敵な川でもある。
この場所のことはもちろん移動運用の候補にはなかったけど、仕事中に抜け出して短い時間だけできるとするならと、ふと思いついたからだ。ここならダメ元でもいい。
まず最初にアンテナのエレメントをギリギリ最大の長さにして、SWRを測ると今日はなんと1.21という良好な値だった。
使った機器はたったのこれだけ。先日の50W運用の時に機器と比べると本当にシンプルだ。これがQRPならではの魅力でもあるんだね。
ちなみにこの写真は電池を使っているけど、最初はポータブル電源から安定化電源を使って13.8Vを供給していた。スペックでは13.8Vで3.5W出力、電池で10.5Vなら2W程度だと思う。少しでも有利になればと思ったからだ。
でも、結局は電池での運用となった。。。その理由は次の動画(2分頃)を観るとわかるけどね。さあ、結果はいかに!?
というわけで結果はというと、予想に反してなんと2Wでも交信することができた。1局目はJL2UHI局(静岡県伊東市)から599のレポート、そして2局目はJA0BOP局(新潟県新潟市)から589のレポートをもらえた。
とくに新潟市までこんな微弱な電波でも飛んでいったことに、それもレポートもかなり強力なので驚いた。仕事中なので30分ほどで切り上げたけど、もっと時間をかければたくさんの交信ができたかもしれない。
それにしても「こんな近くでも移動運用は楽しめる♪」で書いたように、家の近くにあるごく普通の公園でも充分楽しめたし、
「久しぶりに家族旅行を楽しんできた ♪」でも書いたように旅館の庭からでも楽しめた。そして今回もそう。移動運用というと、高い場所などの条件の良い場所を思い浮かべがちだけど、むしろほんのちょっと開けた場所ならどこでも楽しめる。
そのことが少しずつわかってきた。今までは移動運用のためにいろんな機材を購入したり、ソフトを試したりでなかなか実践まで至らなかったんだけど、ようやく今年になって実践モードに入ることができて、とても楽しい。
そしてぼくの移動運用のスタイルの基本は「決して目立たずに、静かでスマートな移動運用」と決めている。
車での移動運用でも無線をしているか分からないほどシンプル。徒歩での移動運用でも人が多いところではやらないし、ヘッドホンを使ったCW運用。それに小さな無線機とアンテナでいかに遠くに飛ばすかを考えるのが楽しい。
今回の移動運用でも初めて知る発見があった。やっぱりアマチュア無線はキングオブホビーだと思う。
もっぱら無線技術に対する個人的な興味で行うものと規定されていて、無線機と他のアンテナの組み合わせで、どれだけの通信をするか。新しい無線通信技術を使い自己訓練、ノイズ除去技術を複数比較してそれぞれ音質はどれほどのものなのか個人的な知識で、電波を陸上と対流圏、成層圏などの間で反射させて通信してみたらどのように通信できるかを知りたいといった目的がある。
出典: ja.wikipedia.org
「自己訓練」という言葉はちょっと硬いけど、楽しみながらいろんなことを勉強していきながら、自分が向上していくことを楽しむ。
ぼくが小学5年生でアマチュア無線に憧れ、そして勉強して電話級の免許を取り、さらには2アマを取り、モールスを勉強し世界中の無線局と交信するようになった。
この先いくつになっても、この興味はなくなることはない。それがアマチュア無線の良さなんだね。ぜひ多くの若い人にこの世界の素晴らしさを知って欲しいと思う。