FT-817は内蔵バッテリーだけの移動運用は可能なのか?
先日からFT-817復活作戦でいろんなことをやっている。今日は電源電圧(送信出力)と電波の飛び具合について考えてみようと思う。
前回は内蔵バッテリーを交換したが、この定格9.6Vでの送信出力は2.5W(外部電源13.5Vを使うと5W)だ。この内蔵バッテリーを使って、飛び具合をチェックしてみよう。
さっそくワッチを始めたが、今日はコンディションが悪く、わずかな局しか聞こえない。それでもしばらくCQを出し続けてみたが、全く応答なし。そしてRBNでも反応がない。
RBNって何 ?
この地図はFT8のPskReporterで、自分の電波がどこまで飛んでいるかがわかるので、状況判断には欠かせない。RBNもこれと同じようなもの。
RBNというのは「REVERS BEACON NETWORK」の略で、同じく自分のCW送信した電波がどこまで飛んでいるのかを知るサービスだ。(メイン画面)
例えばぼくがCQを出すと、全国のスキマー局がこれを受信し、その情報をリアルタイムでRBNのサーバーに送り、ネット上で確認することができるというわけだね。
こんなふうに世界中でリアルタイムのデータが表示される。ここから地域やバンドなどを絞り込むことで、さらに詳しい情報を得ることができる。もちろん自分の電波もね。
というわけで、2.5WでしばらくCQを出してみたが、まったく応答がない。RBNをみても受信しているスキマーはいない。
2.5Wでは運用できないと?
じゃあ、たったの2.5Wでは運用ができないのか? というと、 いやそうとも言えない。
以前自作のVN-4002を使って、2W出力でも交信することができた。(たった2WのCW移動運用で新潟市と交信できた)つまり運用する場所やコンディションによるのだ。
と言っても条件が整わないと、今日のようにずっとCQを出し続けても、全く反応が得られないということになってしまう。
5W送信ならRBNはどうなる?
今度は外部電源をつないで、13.5VでCQを出してみることにした。この状態なら5Wの出力が得られる。(後でわかったけどL3だったので2.5Wでした)ところがCQを出しても呼ばれないし、RBNも反応がなかった。
結果は同じだと思うけど、今度はKX2を使って5W運用してみよう。案の定やっぱりしばらくCQを出してみたがダメだった。今日はかなりコンディションが悪そうだ。
念のためRBNを見てみると、あれ?JH7CSU局(世田谷区)が、1dBという低い値だがレポートしてくれているぞ。ということはちゃんとそこまで届いているということだ。
そしてもう一度FT-817の5W運用でCQを出してみると、今度は受信されたようだ。ただし0dB。5Wでこの値ということなら、2.5Wでは無理にきまっている。(追記)先に書いたようにL3だったので実際は5Wではなく、2.5Wだった。つまり2.5WでもRBNは反応していたから、無理にきまっているとはいえない。
余程コンディションがいいとか、高い山に登って運用するとか、そういう条件が整わないと、2.5W運用ではかなり厳しいということになる。
(追記)ただし、身近な場所にでかけて、気軽に移動運用しようという場合は、最低でも5Wで運用できるようにした方がいいのは間違いないよね。
モバイルバッテリーを使おう
そこでやっぱりこれが必用だなと思ったのが、外付けバッテリーだ。
以前はこんなに大きくて重いリチウムバッテリーを使っていたけど、こんなのを持って徒歩での移動運用は大変だ。ところが今は本当にコンパクトで大容量のものが手に入る。
たとえばこの「Anker 537」なら24000mAh 65Wという大容量で重さが500g。
そしてFT-817の使用可能電圧は8〜16Vなので、この「WITRN PDC003 USB-C PD トリガーケーブル」を使えばDC15Vを取り出すことができる。
しかもこのプラグは「5.5mm/2.5 2.1mm」で2.5mmと2.1mmの両用になっているから、FT-817、IC-705そしてKX2に使える。こりゃええな!
(FT-817は4mm/1.7mmなので違う)
もちろん、スマホやその他の機器にも使えるのがありがたいよね。
imutoは怪しい製品?
以前「FT-817の復活作戦!」でFT-817用の大容量バッテリーの購入で詐欺サイトに引っかかったことを書いたけど、それ以来買い物はより慎重にと思っていた。
実は先程のAnker 537とは別にもう一つの候補があった。それは「imuto 65W 27000mAh」というもので、容量も大きいし値段もかなり安い。
そこで両方をサクラチェッカーで調べてみることにした。するとAnker 537は合格! そしてimutoはというと「かなり低いスコアで危険」と出た。
Anker 537はアマゾンでの評価が4.4で、サクラチェッカーは4.39でほぼ同じ。imutoはアマゾンでの評価が4.4で、サクラチェッカーは1.67とかなり低いスコアなのだ。
どういうことか詳しいことはわからないけど「サクラレビューが入っていた可能性が非常に高い製品」ということ、そしてもう一つはぼくも思っていたこと。
それは
公式サイトの有無?
◎ 公式サイトあり:Google検索上位に公式ドメインがある。 → 長期的なブランド運営を考えてサイトを運用している。サクラの可能性は低い。
☓ 公式サイト無し:Google検索上位が特定ECサイトのみで公式ドメインがない。 → 長期的なブランド運営を考えていない。自分のメーカーを持っているのにサイトすら作ってない。定期的にメーカー名を変更し売り逃げするサクラ企業の可能性。公式サイトがない場合はサクラを使用している業者である可能性が高くなる。サクラ業者はサクラで高評価を装い売りつけ、実際にユーザーが買って低評価が集まると同じ商品をメーカー名を変えて販売する事が多く、そのような業者は公式ドメインの費用をケチってドメイン取得すらしない。
ということだ。たしかに公式サイトがないってどういうこと?って思ったんだよね。
それにAnkerは「18ヶ月製品保証+会員限定6ヶ月延長保証」というものがついている。それに日本語カスタマーサポートもある。ということで、迷わずAnker 537を購入した。
FT-817での移動運用のまとめ
当初は内蔵バッテリーを使って、三脚なしで直接AX1というアンテナをFT-817に取り付けて、少しでも身軽にしようと考えていたが、やっぱり三脚は必用だとわかった。
このことでバックパックで運べる範囲なら、三脚や、モバイルバッテリー、そしてこのコンパクトに畳める「ヘリノックス テーブル オー」も持っていけることになった。
山に登るなど、本当にコンパクトな移動運用をするならKX2に任せればいい。FT-817はこの組み合わせで、ビールでも飲みながらのんびり楽しめたらいいなって思う。
今後については、実際に運用をしながら、より使いやすい環境を徐々に作っていこうと思う。というわけで「FT-817の復活作戦」は実践編へと続くので、どうぞお楽しみに!
それからアウトドア用品を部屋の中で使うと、こんなふうにいつもと違う「くつろぎスペース」に変わる。たまにはこんな風に過ごすのもいいなって思う。